2016 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative prediction of bioavailability and drug-drug interactions of orally administered drugs
Project/Area Number |
26460204
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 智夫 北里大学, 薬学部, 教授 (30223168)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経口投与 / バイオアベイラビリティ / 相互作用 / CYP3A4 / 定量的予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト小腸および肝ミクロソームを用いて、CYP3A4の基質としてテストステロンを、阻害薬としてミダゾラムを用いた阻害実験を行った。その結果、ミダゾラムは阻害薬濃度および阻害薬と代謝酵素の接触時間依存的にCYP3A4を阻害し、さらにその阻害はNADPH依存的であった。以上より、ミダゾラムはCYP3A4の基質であると同時に、CYP3A4 のmechanism-based inhibitorとなることが明らかとなった。同じベンゾジアゼピン系薬物であるアルプラゾラムやトリアゾラムは、CYP3A4を阻害しなかった。ヒト肝ミクロソームにおけるミダゾラムのCYP3A4不活性化のパラメータ(K'app、kinact)値は、K'app= 22 μM、kinact = 0.27 min-1であった。CYP3A4 のmechanism-based inhibitorであるエリスロマイシンではK'app= 13 μM、kinact = 0.024 min-1であり、リトナビルではK'app= 0.020 μM、kinact = 0.52 min-1であることから、ミダゾラムはリトナビルより弱いが、エリスロマイシンより強いmechanism-based inhibitorであることが示された。一方、リトナビルやエリスロマイシンではCYP3A4の基質となる薬物との相互作用が臨床上問題となっているが、ミダゾラムでは相互作用の報告はない。現在、ITAM-PKモデルによる相互作用の予測・解析を行い、mechanism-based inhibitorであるミダゾラムが他のCYP3A4基質との相互作用を起こさない理由を検討している。
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