2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of delayed elimination and decreased plasma protein binding of anticancer drugs which are mainly eliminated via the liver in cancer patients with severe renal failure
Project/Area Number |
26460205
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
藤田 健一 昭和大学, 腫瘍分子生物学研究所, 教授 (60281820)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎機能障害 / 肝代謝型 / イリノテカン / 薬物動態 / 尿毒素 / SN-38 / indole / long-lasting inhibition |
Outline of Annual Research Achievements |
SN-38は肝消失型であるにも関わらず,腎障害時に血中濃度が上昇した.その原因として,腎障害時に蓄積する尿毒素による肝膜輸送体OATP1B1の阻害を明らかにしたが,血中濃度の上昇は説明しきれていない.尿毒素の中には,Indole環を有する化合物が複数存在し,そのうちIndoxyl Sulfate(IS)はOATP1B1を阻害した.そこで,ISの前駆体であるIndoleとその代謝物群に着目し,OATP1B1を阻害するIndole関連化合物を調べた.6-OH Indole(6I)が,HEK293/OATP1B1への[3H]E3Sの取り込みを,濃度依存的かつPre-incubation時間依存的に阻害し,6IはOATP1B1を直接およびLong-lastingに阻害することがわかった.IC50を比較すると,OATP1B1への直接阻害はISよりも6Iの方が100倍以上強かった. 6IのPre-incubationによる阻害は3 h程度で回復し,Long-lasting阻害は可逆的であると考えられた.マウスおよびヒトの初代培養肝細胞で6Iによる阻害を評価したところ,[3H]E3Sの取り込みに対する直接阻害が観察された.さらに,マウスでは有意差がなかった一方,ヒトではPre-incubation時の阻害も生じた.6Iは,ヒト肝においてもOATP1B1を阻害することが示唆された.さらに6Iはヒト慢性腎障害時に血漿中濃度が上昇することも見出した.以上,生体内に存在する6Iは,肝膜輸送体OATP1B1を直接およびLong-lastingに阻害することを解明した. レゴラフェニブはSN-38と同様に,肝消失型で血漿忠蛋白結合率の高い抗がん薬である.腎機能低下患者におけるレゴラフェニブの体内動態に関する臨床試験を開始するとともに,レゴラフェニブの体内動態とABC膜輸送体の関係を検討した.
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Research Products
(6 results)