2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pharmacokinetic study of orphan drug 3,4-diaminopyridine for treatment of Lambert-Eaton myasthenic syndrome
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26460217
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松下 良 金沢大学, 薬学系, 教授 (20293368)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 3,4-diaminopyridine / Lambert-Eaton 筋無力症 / bungarotoxin / muscle / pharmacokinetics / pharmacodynamics / LEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
希少疾病Lambert-Eaton筋無力症(LEMS)治療薬の3,4-diaminopyridine(3,4-DAP)について、「LEMS患者での3,4-DAPの血漿中濃度の速やかな消失に比べ薬効が持続する現象」を我々は既に見出している。 本研究では、本現象のメカニズムの解明を動物モデルを用いて試みた。 そして、ラットの3,4-DAPの組織内分を検討したところ、単回静注後の血漿中濃度の急激な減衰に比べて腎臓、心臓、筋肉、肝臓、胃への組織移行性が高く、減衰が緩徐であること、一方、小腸、脾臓、肺、皮膚、脂肪、脳への移行は、血漿中への移行と変わらないことが明らかとなった。 従って、薬効と血漿中濃度動態にずれが生じる原因が、筋肉への高い移行性に起因していることが示唆された。対象疾患であるLambert-Eaton筋無力症が筋肉量の低下を来す疾患であることから、筋肉内濃度の変動が薬効を変動させている可能性が示唆された。これらの結果を確認するために、3,4-DAPの作用部位が筋肉であることを考え、薬効の指標として、筋電位の変化を測定することにより検討した。病態モデルは、α-bungarotoxinを投与して作成して検討した。 その結果、病態モデルにおいて、3,4-DAPの血漿中濃度推移に比べ、筋電位変化の遅れが示唆される結果が得られた。これは臨床の現象を再現するものであった。今後、この結果の確定し、3,4-DAPのPK-PDモデリングを構築することにより、LEMS患者が3,4-DAPを服用する際の適正な投与計画立案に寄与することが期待される。
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