2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒト肝キメラマウスと大規模有害事象情報を用いた薬剤性ヒト肝障害リスク予測法の確立
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26460220
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中嶋 幹郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (00260737)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 後発医薬品 / 薬剤性肝障害 / ヒト肝キメラマウス / ファーマコビジランス / 製剤品質評価 / トキシコゲノミクス / T-LEX |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、同一薬効成分を有するものの製剤中の添加剤が異なる医薬品をヒトに使用する場合の薬剤性肝障害の発症リスクを予測する評価系(T-LEX法)開発研究を深化させ、ヒト肝キメラマウスを用いた基礎実験の結果を医薬品の大規模ヒト有害事象データベース解析に基づく臨床情報と関連づけることで本法を確立し、後発医薬品の薬剤性肝障害リスクに関する科学的情報の構築を行うことが目的である。 そのため連携研究者(栄田敏之教授、佐々木均教授)や研究協力者である島田卓研究員(フェニックスバイオ)、長塚伸一郎研究員(積水メディカル)、立木秀尚研究員(東和薬品)らと研究チームを組織し、平成27年度は、肝障害の発症リスクが高いHMG-CoA還元酵素阻害薬7種類(アトルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フラバスタチン、ピタバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン)を対象に、ヒト肝キメラマウスを用いたヒト肝遺伝子情報と、米国FDAのAERSデータを用いたデータマイニング解析による肝障害に関する有害事象情報との関係性比較を行った。その結果、関係性のある肝障害に関する有害事象情報が各医薬品で異なった。またT-LEX法の結果から、薬剤性肝障害を誘発する候補遺伝子の解析が行えることが示唆された。 今後は、実験情報と臨床情報との相関性解析を引き続き実施するとともに、動物実験や細胞実験等を行うことで特定の肝障害発症のメカニズム解析を試み、安全性情報が欠如している後発医薬品のヒト肝障害リスクに関する科学的情報を発信する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目にあたる平成27年度は、研究実施計画に記載したとおりの検討を行うことができたため「②おおむね順調に進展している。」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおりに今後も研究を推進していく計画である。しかし万が一、当初計画どおりに進まない場合には、確実に成果に結びつく研究計画を強力に推進する。また、本研究計画を遂行するための研究体制のなかで適宜意見交換を行い、本研究計画を効果的に推進していく。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、本研究計画の実施に別の予算を充てることができたので、研究の推進に支障ない状態で、次年度に使用する予定の研究費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は当初の計画以上に本研究を進展させることを目標に、次年度の研究費とあわせて使用する計画である。
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