2014 Fiscal Year Research-status Report
スギ花粉症根治療法のための新規減感作作動性放出制御製剤の設計と評価
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26460226
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岩尾 康範 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30433022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 修治 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (60237823)
板井 茂 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80453059)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 製剤学 / スギ花粉 / 減感作療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は,”花粉症根治療法のための新規減感作作動性徐放性製剤”を開発するため, 新規合成高分子を用いたマイクロスフェア製剤を設計, 評価することを目的に企図された.本年度は, 精製スギ花粉抗原(Cryj1)を定速で放出するAlzet浸透圧ポンプを花粉症モデルマウスに1カ月埋め込み, マウス体内免疫反応の詳細を検討することを目的としている.
【実験方法】6週齢, BALB/cマウスに, 1.0 μg Cryj1/Alum溶液を週1回, 2週間腹腔内投与後, 0.5 μg Cryj1/CholeraToxin B溶液を7日間連続経鼻投与し, 最終投与直後から10分間, くしゃみ・鼻掻き回数をカウントし, 翌日に採血して血清中の抗体価を測定した. それらの結果から感作度の高いマウスをスクリーニングした後, 生理食塩水または25, 50, 100 μg/mLのCry j1を充填したALZETポンプを各3匹ずつに皮下移植して4週間減感作治療を行った後, ALZETを摘出した. 摘出の2週間後に1.0 μg Cryj1/水酸化アルミニウムゲル(Alum)溶液をアジュバントとして, 週1回, 2週腹腔内投与した. 血清中のCryj1特異的IgE, IgGおよびIgG2aをELISA法にて定量した.
【結果】ALZET に内封したCry j 1濃度依存的に, Cryj1特異的IgEは低下し, 生食と比較して, 特に50及び100 μg/mLではIgE量はが約1/2まで抑制された. これらの結果から, アレルゲンを132 ng/dayで持続投与できれば, 免疫寛容を引き起こせる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定した実験は, トラブルなく, 滞りなく進めることができた
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には, 実際にCryj1をマイクロスフェアに封入して実際の製剤を作製し, 本年度明らかにしたCryj1放出速度を達成できる製剤の開発を、またそのin vivo治療効果を精査していく予定であり, 将来的には副作用を抑えた減感作療法を目指した徐放性製剤の開発に繋がるものと考えている.
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Research Products
(1 results)