2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of sustained-release formulations for cedar pollen-specific desensitization therapy
Project/Area Number |
26460226
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岩尾 康範 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (30433022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 修治 東邦大学, 薬学部, 教授 (60237823)
板井 茂 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80453059)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 製剤学 / マイクロ・ナノデバイス / アレルギー・ぜんそく |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的・方法】本研究は,花粉症根治療法のための新規減感作作動性徐放性製剤を開発するため, スギ花粉タンパク質CryJ1を新規合成高分子により調製したマイクロスフェアに内封させ,その基礎的知見を得るために企図された. 最終年度は,長期保存中のCryJ1の構造変化を調べるため,CO2 INCUBATORにてCryj1をPBSに100 μg/mlの濃度に溶解したものを37°Cで4週間保存し,円二色性分散計J-600を用いてCDスペクトルを測定した.また,免疫遠原性の有無をマウスにより評価した. 【結果・考察】CDスペクトルの結果,native Cryj1において,228 nm付近にピークが認められ,Cryj1がαへリックス構造を有していることがわかった.その後,2週間,4週間とインキュベートした際,その時間依存的に,ピークがβシートへ構造を示す218 nmへシフトすることが明らかとなった.これらのことから,長期保存中に,αへリックスからβシートへ構造がシフトすることが示唆された.しかしながら,分子間βシート構造等が形成され,露出したIgEエピトープが埋没するかどうかは不明であり,我々が得ている過去のin vivoにおける効果を考えると,例え構造変化が惹起されたとしても,生体内で減感作を誘導できる可能性が考えられた.また,マウスを用いて, マイクロスフェアを皮下投与し, 免疫原性の有無を評価したが,体重減少や炎症性マーカーの増加等,特徴的な副作用は観察されず,免疫原性は低いことが示唆された.
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