2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of perioperative pharmacotherapy by using DPC data
Project/Area Number |
26460227
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
頭金 正博 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (00270629)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 周術期薬物治療 / 診断群分類包括評価制度 / ナショナルレセプトデータベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では診断群分類包括評価制度(DPC)データを用いて周術期に行われる薬物治療の効果を入院期間や合併症の発症を指標とし定量的に評価することを目的とした。具体的には、我が国の保険診療のデータを網羅しているナショナルレセプトデータベースのDPCデータを用いて、冠動脈形成術、整形外科手術(人工骨頭挿入術など)、腹腔鏡下胆嚢摘出術、肺切除術、膀胱悪性腫瘍手術を対象にして、抗菌薬、麻酔薬(全身)、鎮静剤、抗精神病薬、HMG-CoA還元阻害剤、抗凝固薬の影響について、術後合併症、術後入院日数、ICU入院日数、入院日数、転帰、術後の平均継続処方日数(抗菌薬)をアウトカムの指標として薬物治療の効果を評価した。術後合併症としては、感染症(抗菌薬)、せん妄(麻酔薬、鎮静剤、抗精神病薬)、虚血性心疾患および心房細動(スタチン)、虚血性心疾患・出血・塞栓症(抗凝固薬)を指標とした。また、調整因子としては、年齢、性別、既存疾患等の患者背景要因、併用薬、投与量、投与期間、ヘパリン置換の有無(抗凝固薬)、術中出血量を用いた。その結果、麻酔薬の使用方法によって、一部のアウトカムに影響が見られた。一方、抗菌薬の種類および投与パターンによる影響は見られなかった。また、ワルファリンおよび新規経口抗凝固薬(NOAC)の投与中止および再開のパターンについてもアウトカムへの影響は見られなかった。ただし、抗凝固薬については、レセプト上に休薬日や持参薬が反映されない可能性があり、病院情報システムのデータベース等での検討が必要であると考えられた。
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