2015 Fiscal Year Research-status Report
バレル神経回路の機能発達におけるニコチン性アセチルコリン受容体の役割
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26460251
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 美和子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10431305)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 体性感覚野 / アセチルコリン受容体 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、バレル神経回路において視床から興奮性細胞への入力を増強し、かつ抑制性介在細胞への入力を抑制することにより、興奮・抑制バランスの修飾作用を発揮する可能性のある受容体としてニコチン性アセチルコリン受容体に注目している。昨年度は3種類のニコチン性アセチルコリン受容体サブユニットのmRNAの脳内発現を蛍光in situ hybridization法で解析し、さらにβ2サブユニットに対する抗体を作成した。 本年度はまずこの抗体の特異性について検討し、局在解析を行った。ウエスタンブロットによる検討を行った結果、HEK細胞を使った強制発現系では妥当なサイズにバンドが確認でき、他のサブユニットとの交差性も認められなかった。従ってこの抗体はβ2サブユニットを特異的に認識していることは確認できた。その後のマウス脳切片を用いた組織染色の結果、mRNA発現に対応する領域での陽性反応は確認できたものの、シグナル強度が弱いことがわかった。したがって詳しい局在を解析するためには今後染色条件等を改善する必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の目標は、作成した抗体を使用したタンパク質レベルでの局在解析を進展させることであった。抗体の特異性と染色性を検討した結果、特異性は確認できたものの、染色性に検討の余地があることがわかった。従って、質の高い解析をするためには今後条件を最適化する必要があることと判断された。昨年度はほぼ計画どおりの進展であったが、現状ではやや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は解析を進めるために、染色や検出条件・検出方法の改善策を練る必要がある。また抗体に頼らず毒素等を利用した検出も視野に入れて検討を行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度中に発注・納品された物品の支払い請求が次年度にずれこんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度中に発注・納品された物品の支払いに充てる。
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Research Products
(8 results)