2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26460253
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平島 正則 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40383757)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | マウス / 遺伝子変異 / 発生 / 胎生期浮腫 / リンパ管 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの解析で、重度の浮腫を呈するAspp1-/-マウスにおいて生理的リンパ管・静脈吻合不全と頸部リンパ管の著明な拡張を見出した。本年度は、末梢組織内に非侵襲的リンパ管・静脈吻合を形成するPlcg2-/-マウスとの交配を行って、リンパの流れを変えることでAspp1-/-の表現型が改善するかどうか明らかにする目的で解析を行った。Aspp1+/-;Plcg2+/-マウスの雌雄を交配して得られる胎仔を胎生 14.5~16.5 日目に採取した。胎生14.5日目においてAspp1-/-;Plcg2-/-マウスの外観はそれぞれの欠損マウスを合わせたものであったが、胎生16.5 日目には採取できた3匹とも致死であった。つまり、胎生期において末梢組織内にリンパ管・血管吻合を作製しても、Aspp1-/-マウスの病態は改善するどころか悪化してしまうことが明らかになった。胎生14.5日目の胎仔において皮膚や静脈角における血管とリンパ管を解析するために、それぞれの内皮細胞に特異的なマーカー(PECAM-1, Prox1, Lyve-1など)でホールマウント染色して共焦点レーザー顕微鏡で解析した。Aspp1-/-マウス胎仔にはリンパ管内皮細胞で構成される島様構造が多数認められ、Plcg2-/-マウス胎仔にはリンパ管内に赤血球の存在が認められた。Aspp1-/-;Plcg2-/-マウス胎仔にはその両方の異常が認められたが、致死の原因となりうる特異的異常は現在のところ不明である。胎生15.5日目の胎仔の解析を実施したが、これまでに得た61匹の胎仔の中にAspp1-/-;Plcg2-/-マウスが存在しなかった。今後、胎生15.5日目の胎仔の病理組織学的解析でAspp1-/-;Plcg2-/-マウス胎仔に特異的な致死的異常が明らかになると期待している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく、計画通り進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
Aspp1-/-;Plcg2-/-マウス胎仔が致死となることが明らかになったため、現在の解析を継続して致死的異常を明らかにする。得られる胎仔数を増やすために、交配に用いる雄マウスの遺伝子型をAspp1-/-;Plcg2+/-型にする計画である。
|