2014 Fiscal Year Research-status Report
血管形成・動静脈分化に関与する新規遺伝子群のTALEN法による機能解析
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26460255
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
木村 英二 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50405750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00218728)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血管新生 / 脈管形成 / ゲノム編集 / 遺伝子破壊 / ゼブラフィシュ / 血管内皮細胞 / 動静脈分化 / 形態形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、対象とした 11 遺伝子をそれぞれ破壊した系統の樹立を目指した。研究計画を策定した当初はTALEN法が、標的部位への特異性ですぐれていたため、これを用いて遺伝子破壊体を作成をめざし、eng2a遺伝子のゲノム編集活性を持つTALENの作製に成功した。現在 F2世代のホモ接合体を作成し、表現型の解析を進めている。一方で急速な遺伝子編集技術の進歩をふまえて、残りの10遺伝子に関しては、CRISPR/Cas9による遺伝子編集を持ちいたノックアウト体の作製を目指した。この点では、申請内容に対して、使用する手法に関して変更を加えているが、最終的に目標遺伝子の破壊体の作製を目指している点では、なんら変更はない。CRISPR/Cas9は、off-target効果への懸念が強く持たれていたが、最近の研究報告で、設計段階である程度その影響を押さえられることが判明している。作成の簡便さをふまえ、本研究でも残り10遺伝子に関しては、CRISPR/Cas9法を用いることとした。CRISPR/directにより、off-targetの少ない標的部位を選定し、sgRNA(single guide RNA)を10遺伝子を対象にそれぞれ合成し、Cas9 mRNAとともに、1細胞期の受精卵にインジェクションした。その結果 5遺伝子に関しては、HMA法解析により遺伝子編集活性を有するsgRNAを得ることに成功した。残り5遺伝子に関しては、活性の見られなかった原因を現在検討している。標的配列部位のシークエンス解析から1遺伝子に関しては、標的ゲノム配列内に変異が見つかり、これがsgRNAが機能しなかった原因であることが判明した。残り4遺伝子に関しては、原因がまだ不明なため、sgRNAの合成に問題がなかったかを、再合成により検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度には、対象とした 11 遺伝子をそれぞれ破壊した系統の樹立を目指した。eng2aに関しては、F2世代でのホモ接合体の樹立に成功した。また残りの5遺伝子に関しては、ゲノム編集活性を有するsgRNAを作成し、現在F0世代を飼育している。一方で残りの5遺伝子では、5遺伝子のゲノム編集が確認できたF0世代が作成できていない。この点でやや予定から遅れているが、現在 その遅れを取り戻すべく鋭意解析を進めており、十分挽回可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度に継続して、11遺伝子の遺伝子破壊体の作成を進めていく。 26年度に、遺伝子編集活性を有するsgRNAが得られた5遺伝子に関しては、F0世代を現在飼育中である。これらが育った段階で野生型と交配し、得られたF1世代でのゲノム編集による挿入・欠失をHMA法により確認する。これによって潜在的founderを同定し、そのF1世代の飼育を進める。育ったF1世代に対しては、各個体ごとにfin clip法によるゲノム抽出とHMA法による変異の同定を行い、各変異パターンごとにシークエンス解析を行い、フレームシフトを生じる変異を有する個体を同定する。同一変異体の雌雄を交配してホモ接合体のノックアウトゼブラフィッシュの系統の樹立を目指す。系統樹立後は、その表現型解析を進めていく。 また26年度で、ゲノム編集活性を有するsgRNAが得られなかった5遺伝子に関しては、活性を有するsgRNAが得られるように実験を進めていく。sgRNAの再合成によっても活性が認められなかった場合は、標的部位を変えて新たに設計・合成を行う。編集活性を有するsgRNAが得られたのちは、同様にF0世代、F1世代を飼育して解析を進めていき、ホモ接合体の樹立を目指す。 すでにホモ接合体が得られているeng2a遺伝子の破壊体に関しては、血管形成へのへ影響をイメージングにより評価し、また動静脈形成関連遺伝子の発現変動を、in situ hybridization法により合わせて解析していく。
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Causes of Carryover |
26年度では、予定した人件費が別予算枠で獲得できたため、その分使用する金額に余裕ができた。しかしながら年度末に、sgRNAの活性の評価実験を多く行い、繰越金額は、わずかな金額であり、ほとんど生じていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のごとく繰越金額はわずかな金額である。27年度の研究費とともに、遺伝子破壊体作成のために、科研費使用のルールを厳守して使用していく。
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