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2016 Fiscal Year Research-status Report

舌咽神経の発生を統御する分子基盤と咽頭弓分節の連関

Research Project

Project/Area Number 26460257
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

大久保 直  北里大学, 医学部, 准教授 (10450719)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2019-03-31
Keywords咽頭弓分節 / Tbx1 / Ripply3 / 転写抑制因子 / 舌咽神経
Outline of Annual Research Achievements

Ripply3は、マウスの咽頭弓の分節過程で咽頭弓内胚葉と外胚葉に特異的に発現しTbx1の転写活性を調節する分子であり、咽頭弓の形成に深く関与している。しかし、Ripply3の詳細な作用機序や転写抑制複合体の実体、発現細胞の運命などはまだ明らかになっていない。今年度は、27年度から引き続き進めている、Ripply3発現細胞の系譜解析についてある程度の結論を得た。Ripply3プロモーターにcreEGFPをつないだトランスジェニックマウスとRosa26R-LacZマウスを交配させ得られた胎仔において、epibranchial placode由来の神経節(VII, IX)および耳胞などが標識されたことから、Ripply3はpreplacode前駆細胞として初期のマーカーになることが示唆された。
さらに、今年度はRipply3の機能を解明する目的で、Yeast-Two-hybridスクリーニングにより得られたRipply3と相互作用する因子のうち、Glyr1の機能解析を進めた。Glyr1は、種を超えて良く保存された遺伝子だが、まだその機能は全く解析されていない。各種生物のGlyr1のアミノ酸配列において保存されたアミノ酸配列に対するポリクローナル抗体を作製し、培養細胞やマウス胚における局在を免疫染色により確認した。その結果、Glyr1は核に存在することが明らかになった。また、Tbx1の転写活性に対するRipply3の抑制作用を、Glyr1は増強するが、Glyr1単独では抑制作用は弱いことから、Glyr1は転写調節においてRipply3との何らかの協調的な作用があることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ノックアウトマウスの作製は、近年Cas9によるゲノム編集技術が普及したことにより簡便になった。そこで本研究課題をさらに推進するため、28年度は電気的遺伝子導入装置を購入し、マウス受精に対するCas9ゲノム編集法の確立を行った。その結果、我々の研究室でもエレクトロポレーションにより簡便にマウス受精卵へCas9とgRNAを導入し、F0マウスにおいて目的の遺伝子座へ変異導入が可能となった。その方法をベースに、Glyr1ノックアウトマウスを作製を進めており、F0マウスが複数ライン取れてきている。この後はこれらノックアウトマウスのライン化、および表現型解析を進める。Glyr1については、特異抗体も得られ、in vivoとin vitroでの生化学的、免疫組織学的な解析が可能となった。また、咽頭弓分節過程におけるRipply3発現細胞の系譜解析もある程度結論が得られている。以上から、おおむね順調に進んでいるといえる。

Strategy for Future Research Activity

28年度に得られたGlyr1変異導入F0マウスから、premature stopコドン化しているラインを選別し、交配によりF1世代を得るとともに、ホモ個体の表現型解析を進める。
Ripply3の上流制御因子の候補として、レチノイン酸(RA)シグナルを想定しているが、RAシグナルの阻害によるRipply3遺伝子の発現と舌咽神経形成への影響を調べる。Ripply3の発現に関しては、Ripply3-cre:EGFPトランスジェニックマウスを用いることで簡便に可視化できることから、RA 受容体のインバースアゴニスト(BMS493)や過剰なAll Trans Retinoic Acidに暴露したマウス胎仔についてRipply3 mRNAやEGFPの発現を調べるとともに、RAの咽頭弓および舌咽神経形成への影響を検討する。

Causes of Carryover

電気的遺伝子導入装置を導入したことにより、Cas9によるゲノム編集マウスの作製が非常に効率良くできるようになったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

ノックアウトマウスの繁殖、解析のためのマウス購入に用いる。プロモーター解析のための試薬、マウスの遺伝子型解析の試薬に用いる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Adaptor protein Ripply3 is required for epithelial morphogenesis in the mouse pharyngeal pouch2016

    • Author(s)
      土屋凱寛、大久保直、三井優輔、高田慎治
    • Organizer
      日本発生生物学会秋期シンポジウム
    • Place of Presentation
      三島市民文化会館(静岡県三島市)
    • Year and Date
      2016-10-19

URL: 

Published: 2018-01-16  

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