2016 Fiscal Year Annual Research Report
Engineering of artificial three-dimensional tissue with functional lymphatic network for regenerative medicine
Project/Area Number |
26460264
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
浅野 義哉 弘前大学, 医学研究科, 助教 (50359494)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 浩 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20274748)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 人工リンパ管網組織移植 / 脈管リモデリング / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
[1]細胞集積法を用いてヒト新生児皮膚由来線維芽細胞(NHDF)および同由来リンパ管内皮細胞(HDLEC)を材料とした人工ヒト三次元リンパ管網組織を作製し、ヌードマウス皮下および筋膜上への人工リンパ管網組織移植の手技を確立した。[2]人工ヒトリンパ管網組織の筋膜上移植生着後の組織学的な解析を行ったところ、人工ヒトリンパ管の生着を確認したことに加え、その周囲にヒト血管内皮マーカーに陽性を示す脈管構造の生着も確認した。これらには血流がみられ、宿主血管系との吻合構造を持っていた。更に、これらの脈管構造はヒトマーカーに陽性を示す壁細胞様細胞で被覆されていた。これらの超微細構造では、人工ヒトリンパ管は係留フィラメントを含む毛細リンパ管の機能形態、ヒト血管マーカー陽性の脈管構造は小血管様の機能形態を持つことが判った。[3]これらについてin vitroでの組織構築およびin vivoでの生着の過程を追跡したところ、リンパ管内皮細胞の一部血管内皮細胞への転化と宿主血管系との吻合、ヒト線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化と脈管の被覆等、組織構築と移植に伴う脈管リモデリングを見出した。[4]人工リンパ管網組織移植の効果を評価するため、インドシアニングリーン(ICG)投与による後肢-臀部浅層リンパ流路の生体イメージング行い、さらにリンパ節郭清によるリンパ流路再生モデルを作製した。これらにおいて人工リンパ管網組織を移植し、リンパ流路の変化および流路形成促進を示す結果を得た。現在動物モデルを用いたリンパ浮腫軽減効果の解析を行っている。これらの結果から、本人工組織は機能性人工リンパ管グラフトとして有用である可能性が示された。この中で、人工組織の機能発現には、移植後の生体内再構築と成熟が研究当初の予想よりも大きな役割を持つことが推測され、今後間葉系幹細胞等を加えた再生医療研究に取り組む予定である。
|
Research Products
(3 results)