2015 Fiscal Year Research-status Report
脂質二次メッセンジャー代謝酵素の神経細胞および網膜における形態学的機能解析
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26460266
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
八月朔日 泰和 山形大学, 医学部, 准教授 (00372334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 免疫組織化学染色 / 免疫沈降法 / 免疫電子顕微鏡 / ラット / 特異抗体 / 共焦点レーザー顕微鏡 / AMPA型グルタミン酸受容体 / GluA2 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、脂質性二次伝達物質ジアシルグリセロール(DG)のリン酸化酵素であるジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)ファミリーのうち、網膜に豊富に局在するβ型DGK(DGKβ)とε型DGK(DGKε)の網膜における微細局在解析を、DGKβは双極細胞と水平細胞樹状突起について、DGKεは光受容細胞について、包埋前DAB・銀増感免疫電子顕微鏡法と包埋後免疫電子顕微鏡法により行った。さらに、明暗条件の相違によるDGKβとDGKεの網膜内発現および局在変化について検討した。また、特異抗体を用いた免疫沈降法などにより、DGKβおよびDGKεのシグナル伝達複合体の解明を行った。 特異抗体を用いた免疫電子顕微鏡法により、DGKβが双極細胞および水平細胞樹状突起におけるシナプス領域に局在する可能性が示唆された。明暗条件の相違によるDGKβとDGKεの網膜内発現および局在変化は、施行した条件下での相違は認められなかった。またDGKβノックアウト(KO)マウス成体における棘突起形成異常に関与するシグナル伝達系を検討するため、線条体タンパクを用いた免疫沈降法を施行した。その結果DGKβは、AMPA型グルタミン酸受容体のサブユニットの1つであるGluA2と結合すること、さらにGluA2はDGKβのカルボキシル端側と結合することが明らかになった。 以上よりDGKβは網膜においてシナプス領域で機能する可能性が示され、また線条体投射ニューロンにおいては、GluA2を介して棘突起形成に関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画では、以下の目標を挙げた。 1)電子顕微鏡による解析:網膜に豊富に局在するDGKβとDGKεの網膜における微細局在解析を、免疫電子顕微鏡法により行う。2)共焦点レーザー顕微鏡による解析:蛍光多重染色法を用い、明暗条件の相違によるDGKβとDGKεの網膜内発現および局在変化について検討する。3)特異抗体を用いた免疫沈降法などにより、DGKβおよびDGKεのシグナル伝達複合体の解明を行う。 当該年度に関して申請者は網膜を構成する細胞におけるDGKβの微細局在を免疫電子顕微鏡法を用いて検討し、またDGKβのGluA2との結合部位を同定した。さらにDGKの機能解明の一助とするため、DGKの副腎および膵臓における発現局在解析を行い、論文が受理された。以上より、当該課題の「研究の目的」に対する達成度は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、DGKβ-KO, DGKε-KO マウスの神経細胞および網膜の形態比較解析を行う。 神経細胞の解析は1)ゴルジ鍍銀法によるDGKε-KOマウス小脳プルキンエ細胞の解析。2)初代培養細胞を用いたDGKεの棘突起内小胞体における局在解析。3)電子顕微鏡を用いたDGKβ-KOおよびDGKε-KOマウスの細胞および細胞内小器官の形態変化を、野生型マウスと比較検討する。4)免疫沈降法などにより、DGKεのシグナル伝達複合体の解明を行う。網膜についてはショウジョウバエにおいて、DGK の網膜変性への関与が報告されており、共焦点レーザー顕微鏡および電子顕微鏡により、DGKβ-KOとDGKε-KO マウスを用いて、網膜における細胞の形態変化の解析を行う。また、明暗条件の違いによるDGKアイソザイムの発現局在の変化に関する解析を進める。
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Research Products
(4 results)