2015 Fiscal Year Research-status Report
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26460269
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
馬場 敦 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70405215)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 糖鎖 / 細胞・組織 / 平面内細胞極性 / 脳神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
Celsr1の2つのEGF motifとFcとの融合蛋白質は、Celsr1フコシル化サイトのアミノ酸点変異により細胞内に蓄積した。各種細胞内小器官のマーカー抗体を用いて細胞内分布を解析したところ、EGF-Fcは大部分が小胞体に、一部はgolgi体に蓄積しており、O-fucosyl化により細胞内輸送の制御がおこなわれているものと考えられた。これらの結果は、糖鎖修飾によりCelsr1膜蛋白質の局在が制御されることを示す重要な知見であるため、現在全長Celsr1蛋白質でもアミノ酸点変異体を作製し、細胞表面への移行を解析中である。 lunatic-、manic-、radical-の各Fringe欠損マウス、およびFringe全欠損マウスを解析し、Celsr1欠損マウスで見られた神経細胞移動制御や旋毛の形成、神経管形成不全といった表現型について確認したところ、Fringe欠損マウスではこれらの表現型は観察されなかった。Fringe欠損マウスではCelsr1欠損マウスと同様に生殖器官形成に異常を生じ繁殖が困難であることを考え合わせると、臓器特異的な制御機構の存在が示唆される。これらのFringe欠損マウスではO-fucosyl化は正常におこなわれていることから、前段落の結果を考え合わせると、これらの糖鎖修飾カスケードの初期段階におけるO-fucosyl化が蛋白質局在制御において最も重要な働きを示し、続くFringe修飾はその調節因子として働くことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織学的解析は順調であり、本年度目標としていたFringe欠損マウスの解析は終了した。細胞生物学的解析についても、全長Celsr1のfucosyl化サイト変異蛋白質をコードするプラスミドの作成に成功し、現在細胞内局在を解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定のとおり培養系を用いたCelsr1蛋白質の細胞内局在を解析する。Fringe欠損マウスではCelsr1欠損マウスと同様の表現型を示すがCelsr2やCelsr3欠損マウスの表現型は確認できなかったため、Flamingoのフコシル化候補配列を変異させたプラスミドを作成しショウジョウバエ翅の表現型を解析する。この変異体作成の際にもCelsr1変異体作成時と同様の技術が応用できるので、問題なく研究を遂行することができると考えられる。
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Research Products
(1 results)