2014 Fiscal Year Research-status Report
パネート細胞でのタンパク質品質管理機構による腸管幹細胞の維持・分化・増殖への関与
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26460277
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
日野 真一郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (00372699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱川 善隆 宮崎大学, 医学部, 教授 (60304276)
チョウジョウフ ナランツオツク 宮崎大学, 医学部, 助教 (90640962)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腸管上皮 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス小腸上皮細胞におけるHRD1ユビキチンリガーゼによるタンパク質品質管理機構を明らかにする目的で、HRD1の局在を免疫組織化学法およびin situ hybridaization法を用いて検討した。HRD1は陰窩基底部のパネート細胞、間質の形質細胞、アウエルバッハ、マイスネル神経叢の神経細胞に発現を認めたが、絨毛の吸収上皮細胞と杯細胞では発現が認められなかった。HRD1とは異なるユビキチンリガーゼであるWWP2の小腸での発現はこれまで明らかではなかったが、小腸陰窩基底部の細胞で発現していることをタンパク質およびmRNAレベルで明らかにした。細胞を未分化に保つ機能をもつ転写因子Sox9が小腸では腸陰窩基底細胞で発現し、パネート細胞の分化と幹細胞の維持・分化に関与することが示唆されている。そこでSox9とWWP2の発現を検討したところ、両分子の局在は類似しており、既に報告のある軟骨組織と同様に小腸においても両分子が共役して機能している可能性が示唆された。マウス大腸ではHRD1は大腸の粘膜表層のすべての上皮細胞に発現が認められ、WWP2はSox9発現細胞と共局在している可能性を得たことから、大腸とは異なる機構でHRD1が小腸パネート細胞のタンパク質品質管理に特異的に関与していることが考えられた。当初の計画どおりWWP2のパネート細胞での詳細な役割を解析することで、HRD1とWWP2両分子によるタンパク質品質管理と腸上皮の分化制御機構関連を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸上皮におけるHRD1およびWWP2の発現解析においては、計画どおり達成することができた。two-hybrid法による新規WWP2結合因子のスクリーニングにおいては、市販のライブラリーを用いて行ったが新規分子の同定には至らなかった。研究計画書の当初計画どおりに進まない時の対応に従って、新規分子の同定を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
腸管陰窩基底部のSox9を in vivoエレクトロポレーション法によりノックダウンし、WWP2とWWP2分解基質の発現変動を解析する。腸管幹細胞の増殖や細胞死、細胞形態学的変化などへの影響を評価するとともに、WWP2においては細胞質と核内での局在変化を観察し、WWP2が転写因子の共役分子として働くかを検討する。 転写活性制御に関しては、WWP2のsiRNAを導入後の腸上皮や純化パネート細胞からRNAを回収し、DNAマイクロアレイにより転写標的遺伝子をスクリーニングする。スクリーニングにより得た標的遺伝子による分化制御を分子生物学的、組織学的解析により明らかにする。
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Research Products
(6 results)