2015 Fiscal Year Research-status Report
シナプトタグミンが過渡的スネア複合体形成と膜融合に及ぼす影響のFRETによる解析
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26460297
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西木 禎一 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70423340)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経科学 / 刺激分泌連関 / シナプス小胞 / カルシウムイオン / 開口放出 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光標識用組換えタンパク質発現プラスミドの準備:スネア複合体形成に及ぼすシナプトタグミン結合の影響をFRETにより解析するために、シンタキシンおよびシナプトブレビンのスネアモチーフのアミノ(N)末端およびカルボキシ(C)末端に位置するセリン(シンタキシン, Ser188, Ser249; シナプトブレビン, Ser28,Ser80)を各々システインに置換し、内在性システインをセリンに置換した変異遺伝子を作製した。
FRET用組換えタンパク質の精製と蛍光色素による標識:上記で作製した蛍光標識用組換えスネア遺伝子を発現ベクターに挿入し、大腸菌で発現させ精製した。Tスネア二量体は蛍光色素Cy3と、VスネアはCy5と、上記で導入したシステイン残基にマレイミド反応により共有結合させた。標識後のスネア同士を反応させた後、SDS耐性を指標にしてスネア複合体の形成を調べたところ、導入したアミノ酸置換あるいは蛍光標識が複合体形成に影響を及ぼしていないことを確認した。
スネア複合体形成に及ぼすシナプトタグミンの結合・解離の影響の解析(予備的実験):蛍光標識したTスネアを再構成したリポソームとシナプトブレビン細胞質フラグメントを96穴プレート中で混和し、蛍光プレートリーダー中でCy3を励起しCy5の蛍光を測定した。完全なスネア複合体が形成され、N末端標識ペアとC末端標識ペアの両方でFRETが観察されることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したように平成27年度の研究計画は、おおむね当初の予定通りに進んだ。前年度の報告書に記載したスネアによるリポソーム融合アッセイにおける融合効率改善の問題は解決できないまま残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の研究計画に従い実施する。スネアによるリポソーム融合アッセイにおける融合効率改善の問題が次年度初めまでに未解決の場合、スネア複合体形成に対するシナプトタグミン細胞質フラグメント(syt-CD)の結合の影響について焦点を絞り研究を遂行するとともに、syt-CDと同様の構造を持ち神経伝達物質放出のカルシウムセンサーの候補であるDoc2についてシナプトタグミン同様に研究を推進する。
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Causes of Carryover |
研究費を効率的に使用したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
進捗がやや遅れているリポソーム融合効率の改善に当てるとともに、次年度予定しているDoc2に関わる研究計画の推進に使用する。
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Research Products
(1 results)