2014 Fiscal Year Research-status Report
マクロピノサイトーシスによる膜動態変化依存的な神経回路形成機構の解明
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26460309
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
樺山 博之 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (10332339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マクロピノサイトーシス / 膜動態 / 反発性軸索誘導 / 成長円錐退縮 / 神経回路形成 / syntaxin1B |
Outline of Annual Research Achievements |
(研究の目的) 反発性軸索誘導は間違ったシナプス形成をしない為に必須であり、世界中で分子メカニズムの研究がアクチン骨格系制御分子の解析を中心に行われてきた。しかし、申請者はマクロピノサイトーシスという特殊なエンドサイトーシスによる大規模な細胞膜の回収が神経突起成長円錐の退縮や神経突起伸長の抑制に必須である事を世界に先駆けて発見した。本研究では、従来の研究では全く注目されていなかった、マクロピノサイトーシスによる膜動態変化依存的な神経回路形成機構を、分子、細胞、個体レベルで明らかにすることを目的とする。
マクロピノサイトーシスの負の制御因子としてsyntaxin1Bを同定しているが、syntaxin1Bがどのようにマクロピノサイトーシスを制御しているかは不明である。また、成長円錐のマクロピノサイトーシスは細胞外からのカルシウム流入や、細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出による細胞内カルシウム上昇によっても誘導されることを既に報告済みであるが、その分子制御メカニズムは不明である。そこで、平成26年度は、syntaxin1Bの結合分子として見出した細胞内の小胞体カルシウムチャネルである、IP3受容体(IP3R)のsyntaxin1B結合ドメインの機能解析を行った。結合ドメインを発現するレンチウイルスベクターの作成を開始し、培養細胞レベルでの発現を確認した。また、レンチウイルスを用いて広範囲の小脳プルキンエ細胞へ遺伝子を導入する系を立ち上げつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
syntaxin1BとIP3Rとの結合に必要な結合ドメインを形成するペプチドをGST融合タンパクとして培養細胞に安定的に発現させることに成功した。また、レンチウイルスを用いて小脳プルキンエ細胞の一部にもGST融合タンパクの発現に成功した。今後広範囲のプルキンエ細胞に導入できるように条件の検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
個体レベルでのマクロピノサイトーシスの可視化、定量法の確立を引き続き推進する。確立できれば、マクロピノサイトーシスの制御分子であるsyntaxin1Bや、その結合分子との相互作用が、マクロピノサイトーシスにどのように影響を与えるかを細胞、個体レベルで検討していく。
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Research Products
(1 results)