2014 Fiscal Year Research-status Report
ネクローシスとアポトーシスを制御する因子を標的とした抗がん剤開発のための基礎研究
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26460310
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 聡 東京理科大学, 薬学部, 助教 (40530663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アポトーシス / ネクローシス / 腫瘍内壊死 / 細胞死制御 / MicroRNA / Lamin-B1 / Cytokeratin-19 / ATF3 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん細胞のネクローシス(壊死)とアポトーシスを制御する因子を特定し、その腫瘍生物学的な意義を明らかにすることで、がん治療標的として応用可能な因子を見出すことを目的としている。 平成26年度は、以下の研究成果を得た。 (1)細胞死モデル細胞(マウス乳がんFM3A細胞F28-7株及びF28-7-A株)において、ネクローシスを起している細胞もしくは、アポトーシスを起している細胞から培地中に漏出されるタンパク質について、プロテオミクスの手法を用いて解析を行った。ネクローシスとアポトーシスにおいてそれぞれ特徴的な漏出タンパク質を見出した。 (2)これまでの研究から見出している細胞死制御因子 (Lamin-B1, Cytokeratin-19, ATF3, MicroRNAs) について、siRNA、miRNA mimicを用いて種々のヒトがん細胞株に対する抗がん効果を評価し、抗がん治療標的としての可能性を検討した。このうち、これまでの研究から見出しているMicroRNAについて、抗がん治療標的としての可能性を見出した。 (3)これまでの研究から見出している細胞死制御因子 (Lamin-B1, Cytokeratin-19, ATF3, MicroRNAs) について、腫瘍内壊死部位での発現有無を検討するために、腫瘍モデルマウスでの検討の前段階として、ヒトがん細胞株を用いた3次元培養評価系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画していた研究を順調に実施しており、現在までに以下の研究成果が得られている。 (1)当初の計画に加えて、細胞死モデル細胞において、ネクローシスを起している細胞もしくは、アポトーシスを起している細胞から培地中に漏出されるタンパク質について、プロテオミクス解析を行い、ネクローシス細胞とアポトーシス細胞において特徴的な漏出タンパク質を見出した。 (2)これまでの研究から見出している細胞死制御因子 、特にMicroRNA について、腫瘍生物学的な意義を検討し、抗がん標的としての可能性を見出した。 (3)がん細胞のネクローシス(壊死)とアポトーシスを制御する因子の機能解析に利用するヒトがん細胞株を用いた3次元培養評価系を構築した。 このように、おおむね順調に研究が進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究成果を基にして、がん細胞のネクローシスとアポトーシスを制御する因子を標的としたがん治療戦略の有効性を明らかにする。 今後の研究の推進方策としては以下の研究を計画している。 (1)ネクローシスとアポトーシスにおいて、それぞれ特徴的に漏出されるタンパク質について、MALDI-TOF/MSもしくはLC-MS/MS解析を行いタンパク質を同定する。また、それらタンパク質について、腫瘍生物学的な意義について詳細に検討する。 (2)これまでの研究から見出している細胞死制御因子 、特にMicroRNA について、ヒトがん細胞株の3次元培養系及び腫瘍モデルマウスの実験系で抗がん効果を検討する。 (3)これまでの研究から見出している細胞死制御因子について、ヒトがん細胞株の3次元培養系及び腫瘍モデルマウスの腫瘍内壊死部位における発現有無及び局在を検討する。
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[Presentation] BNCTに対する口腔がん及び悪性黒色種細胞株の応答性の検討2014
Author(s)
今道祥二,伊藤 祐, 佐藤 聡,菊原颯太, 藤森浩彰, 平井崇久, 新井康仁, 今堀良夫 伊丹 純,村上康文, 小野公二, 増永慎一郎, 益谷美都子.
Organizer
第73回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜 (神奈川県)
Year and Date
2014-09-25 – 2014-09-27
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[Presentation] BNCTに対するがん細胞応答の網羅的遺伝子発現解析及びプロテオーム解析2014
Author(s)
今道祥二, 佐藤 聡, 伊藤 祐, 菊原颯太, 藤森浩彰, 平井崇久, 今堀良夫, 伊丹 純, 村上康文, 小野公二, 櫻井良憲, 田中浩基, 増永慎一郎, 益谷美都子.
Organizer
第11回日本中性子捕捉療法学会学術大会
Place of Presentation
大阪大学吹田キャンパスコンベンションセンター(大阪府)
Year and Date
2014-07-05 – 2014-07-06
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[Presentation] Analysis of cell-death response and DAMPs after boron neutron capture reaction in human cancer cells2014
Author(s)
Akira Sato, Tasuku Itoh, Hiroaki Fujimori, Takahisa Hirai, Soichiro Saito, Yasuhito Arai, Yasufumi Murakami, Yoshio Imahori, Jun Itami, Hiroyuki Nakamura, Minoru Suzuki, Koji Ono, Shinichiro Masunaga, Mitsuko Masutani.
Organizer
16th International Congress on Neutron Capture Therapy
Place of Presentation
Porssitalo (Helsinki, Finland)
Year and Date
2014-06-14 – 2014-06-19
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