2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of disease due to CIN85 abnormality: Analysis of pathology and molecular variation of hyperactivity, maternal neglect and mental retardation
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26460317
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
下川 哲昭 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (90235680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉淵 典之 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80234681)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CIN85 / ネグレクト / 育児行動 / 胎児期環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
CIN85は膜受容体のダウンレギュレーションなどに関与するタンパク質である。そのノックアウトマウス (CIN85 KO)は多動と育仔放棄の表現型を示した。多動は脳線条体のドパミン受容体エンドサイトーシスの破綻によることを明らかにした。本研究では育児放棄の原因について胎仔期における母体からのドパミン-プロラクチン (PRL)系を中心に解析した。 胎仔期環境の違いによる育仔行動の獲得を解析するため胚の交換移植を行った。CIN85 KOの卵管に野生型 (WT)の胚を移植、反対にWTの卵管にCIN85 KOの胚を移植し誕生した仔は成熟後、交配・分娩させ育仔行動を観察した。また、胎仔期における母体からのPRLの影響を検討するために妊娠後期から出産まで毎日PRL 70 ng/g bwを投与した。出生後10週で雌の産仔を交配し出産後の育仔行動を観察した。さらに育仔行動の神経回路である視床下部内側視索前野から後腹側核の神経活動をc-Fos発現を指標として評価した。 KOの卵管に移植したWTの胚由来の仔は成熟後、WTであるにもかかわらず強い育仔放棄様行動を示した。一方、WTの卵管に移植したKOの胚由来の仔は成熟後、正常な育仔行動を示した。これらの結果より胎仔期環境が将来の育仔行動の発現の有無を決定している可能性が示された。周産期における血中PRL濃度を測定したところ、KOではWTと比べ出産直後に有意に低下していることが分かった。そこで妊娠後期のKOにPRLを投与したところ、その母親から産まれたKOの仔の育仔行動はWTと同程度に回復し、さらに育児行動の神経回路のc-Fos発現は有意に上昇していた。以上の結果は、将来の育仔行動の発現は胎児期に既にその方向性が決定されていて、胎児期の脳内環境、特に母体からの適正なドパミン-PRLシグナルが決定的な役割を担うことを示している。
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[Journal Article] Dysfunction of the Cerebral Glucose Transporter SLC45A1 in Individuals with Intellectual Disability and Epilepsy.2017
Author(s)
Srour M, Shimokawa N, Hamdan FF, Nassif C, Poulin C, Al Gazali L, Rosenfeld JA, Koibuchi N, Rouleau GA, Al Shamsi A, Michaud JL.
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Journal Title
Am J Hum Genet.
Volume: 100
Pages: 824-830
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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