2015 Fiscal Year Research-status Report
蛍光Caプローブを発現する新規マウスを多種類用いた、脳血流制御機構の可視化解析
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26460335
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 敬 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40511374)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アストロサイト / 脳血流 / 血管平滑筋 / カルシウムシグナル / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中枢神経系における神経活動依存的な血流制御機構の解明を目的としている。このため、神経細胞・アストロサイトならびに血管平滑筋細胞について、血流制御時の活動動態を、生きた動物の脳内において、詳細にとらえることを可能とする蛍光カルシウムイメージング法の確立を行う。続いて、このカルシウムイメージング法を用いて、血流制御機構の解析を行う。当該年度には、研究実施計画に基づき、神経活動・アストロサイトならびに血管平滑筋のカルシウム動態を、さまざまな脳活動の状態において可視化した。さらに、この活動動態のイメージングを進め、神経細胞・アストロサイト・血管平滑筋細胞の活動を同時にとらえることで、これらの時間的および空間的な相関についての解析を進めた。この解析から、神経細胞とアストロサイトおよび血管平滑筋細胞の制御・被制御の関係をとらえることに成功した。この結果は、脳の血流制御機構のシグナル伝達経路に関する新しい知見であり、神経活動により引き起こされる局所の血流増大のメカニズム解明に重要である。また、カルシウムイメージング法と同時に、ヘモグロビンの吸光を用いた血流量イメージングを行うことで、血管平滑筋による血流制御の結果である脳血流の動態を評価することにも成功した。これらの結果は、神経活動が引き起こす血流増大における、神経細胞から血管平滑筋へ至るシグナル伝達経路や、詳細な血流動態の解明へ繋がることが十分に期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度までに作製に成功した新しいトランスジェニックマウスラインを用いて、血流制御に関わる様々な細胞の活動動態をカルシウムイメージングにより捉えることができた。また、動態に関する時空間解析も行うことが出来るなど、当初の計画を十分に達成した。さらに、ヘモグロビン吸光を用いた脳血流量計測にも成功し、より詳細な解析を行うことができており、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に基づき、血流制御機構のシグナル伝達経路についての解析を進める。特に抑制性神経細胞とアストロサイトに注目し、神経活動依存的な血流制御機構の解明を行う。
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Research Products
(5 results)