2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26460356
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 久史 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30375513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、平成26年度からの3年間に、MafA、MafB遺伝子それぞれの遺伝子欠損マウスを解析することで、膵内分泌細胞における大Maf群転写因子の機能を明らかにすることが目的である。 初年度である平成26年度は、(1)MafA遺伝子欠損マウスが生直後からβ細胞増殖不全とランゲルハンス島の構築異常を示すことを明らかにした。また、この遺伝子欠損マウスは、β細胞成熟マーカーであるGlut2およびUcn3遺伝子が低下していることも明らかにした。さらに、Mafa遺伝子の下流で、細胞増殖に関わると考えられる遺伝子の膵β細胞特異的過剰発現するマウスを作製して、標的遺伝子であることをin vivoで明らかにした。また、(2)β細胞特異的および膵内分泌細胞特異的MafB遺伝子欠損マウスの作製と解析を行って、成獣での膵内分泌細胞におけるMafBの機能を明らかにした。すなわち、MafB遺伝子は、生後6週齢以降のインスリン分泌を含むβ細胞機能に関与しないものの、生後から生後2週程度までのα細胞およびβ細胞の分化に重要な機能を持つことを明らかにした。 一方で、(3)平成27年度以降に解析を行う予定のMafA、MafBの両遺伝子の膵β細胞特異的欠損マウスを得るための交配を進めており、二重へテロマウスが得られ、他のコントロールマウスとほぼ同様の成長を示し、通常通り交配能力を持つことが分かり、ホモで二重遺伝子欠損マウスを得られる見通しがついた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度の目標である(1)MafA遺伝子欠損マウスがβ細胞増殖不全を伴うことを示し、それに関わる下流の候補遺伝子を過剰発現するMafA欠損マウスを作製して、その標的遺伝子を明らかにすることが出来た。またα細胞、β細胞特異的MafB遺伝子欠損マウスの解析を行って、成獣における膵内分泌細胞のMafBの機能を明らかにしつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2-3年目の目標であるMafA・MafB二重欠損マウスを作製、解析することで、両遺伝子の様々な局面での機能の類似点と相違点の解明に向けて、研究を進めるとともに、肝臓細胞からβ細胞へのリプログラミングへの応用可能性について検討を行っていく。
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Research Products
(3 results)