2015 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーの機能破綻による肝がんと転写因子Nrf2の活性化
Project/Area Number |
26460384
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田口 恵子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20466527)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / Nrf2 / 肝臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーはタンパク質分解機構である。選択的オートファジーは、p62タンパク質がユビキチン化されたタンパク質を隔離膜へ誘導する。肝臓においてタンパク質分解機構であるオートファジーが破綻すると、転写因子Nrf2が異常に活性化し、最終的に良性腫瘍が出現する。オートファジーの破綻によるNrf2の活性化には、p62タンパク質の異常蓄積が関与している。一方で、がんのヒト臨床検体においてNrf2の異常活性化が見出されている。そこで、オートファジーの破綻による腫瘍形成にNrf2の関与がする可能性が考えられた。 オートファジーの破綻は、オートファジーの必須遺伝子であるAtg7を欠失することによって再現した。肝臓特異的オートファジー不全(Atg7-Alb)マウスと、オートファジーとNrf2の二重欠失(Atg7-Alb:Nrf2)マウスを長期観察すると、前者では既報通りに良性腫瘍を形成したが、後者ではそのような腫瘍形成が見られなかった。よって、Nrf2の異常活性化がオートファジーの破綻による腫瘍形成に寄与すると考えられた。一方で、Atg7遺伝子の発現、I型とII型によるLC3の変換、p62タンパク質の発現により、両者マウスにおけるオートファジーの状態を評価したところ、Atg7-Alb:Nrf2ではオートファジーの機能が回復している可能性が考えられた。最終年度では、オートファジーの機能に対するNrf2の関与について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りマウスを飼育することができ、長期観察後に解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
オートファジーの機能に対するNrf2の関与が考えられたので、Nrf2の標的遺伝子にオートファジー関連遺伝子があるか否かを網羅的な発現解析により検討する。
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Causes of Carryover |
病理組織解析の外部依頼費を抑えることができたため、次年度使用額が生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウス飼育費として「その他」に充てる
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[Journal Article] The transcription factor Bach2 is phosphorylated at multiple sites in murine B cells but a single site prevents its nuclear localization.2016
Author(s)
Ando R, Shima H, Tamahara T, Sato Y, Watanabe-Matsui M, Kato H, Sax N, Motohashi H, Taguchi K, Yamamoto M, Nio M, Maeda T, Ochiai K, Muto A, Igarashi K.
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 291
Pages: 1826-1840
DOI
Peer Reviewed
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