2014 Fiscal Year Research-status Report
3MC症候群の病態への補体関連因子MASP-1/3の関与とその分子機構の研究
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26460393
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高橋 実 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00285024)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 補体 / MASP / 3MC症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
3MC症候群は補体関連タンパク質であるMASP-3およびCL-K1がその責任遺伝子として見つかっている。我々は既にMASP1/3を欠損したノックアウトマウス(Masp1/3KO)を世界に先駆けて作成している。Masp1/3KOは胎児期での顎の骨格形成に異常を認めた(論文準備中)。この結果はマウスにおいてもMasp1/3は顎の骨形成に関与することを示し、ヒトの3MC症候群のモデル動物であることを確認できた。そこで我々はMASP-1/-3特にMASP-3がどのように顎の骨形成に関与するのかを分子レベルで詳細に検討するために, まず、MASP-3の組換えタンパク質を作成した。全長MASP-3にタグとしてマウスIgのFcドメインとの融合タンパク質をCHO細胞に発現させて、プロテインAカラムで精製し、純度の高いMASP-3組換えタンパク質を精製することに成功した。プロテインAカラムの素通り画分にほとんどのMASP-3が残存していることがわかり、同様の方法で作成したMASP-1/3の縮合型タンパク質Map44(MAP1)は素通り画分には検出されなかったことから、この現象はMASP-3特異的なものであり、未活性型MASP-3はC末端に存在するセリンプロテアーゼドメイン(SP)がその立体的構造による障壁によって、外部との接触ができないのではと想像できた。そこで、MASP-1/3の競合的阻害作用を示すタンパク質Map44(MAP1)でもMASP-3タンパク質ど同様に標的タンパク質を認識すると仮定し、今後の解析にはMAP44(MAP1)を使用することにした。和光純薬から発売になった新しい発現タグシステム(PAタグ)は従来の6xHis、FLAGなどのタグに比べ、そのモノクローナル抗体のアフィニティーの強さが3オーダー違うシステムを導入し、効率よく組換えタンパク質を純度も高い状態で精製することに成功している。この方法でCL-K1の組換えタンパク質も作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね26年度の計画に従って、必要な組換えタンパク質の発現精製に成功しているから
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Strategy for Future Research Activity |
得られた組換えタンパク質を用い、マウス胎児の脳のライセートと混合し、そのライセート中に組換えタンパク質と特異的に結合できるタンパク質を網羅的に探索する。結合したタンパク質は質量分析器によって解析する。 さらにそれぞれの組換えタンパク質を用いて、そのモノクローナル抗体を作成する。 また、MASP-3単独欠損マウスMASP3KOを作成する。
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Research Products
(4 results)