2015 Fiscal Year Research-status Report
膵管癌およびその前駆病変の発育進展における微小環境の影響
Project/Area Number |
26460425
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
福嶋 敬宜 自治医科大学, 医学部, 教授 (40384937)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵癌 / 膵管内腫瘍 / 前癌病変 / 癌間質 / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌の前駆病変としては、膵管内乳頭粘液性腫瘍や膵上皮内腫瘍性病変の微小環境についての検討を進めているが、これらに加えて、膵癌の前駆病変の1つとして比較的最近提唱されたAtypical flat lesion(AFL) についてもその周囲環境も含めて検討を開始した。AFLは末梢膵管レベルに生じる病変であり、①導管-腺房化生、②病変内の線維増生、③上皮の異型を特徴とする病変である。膵癌モデルマウスを使った動物実験においては前癌病変として認識されているが、ヒトにおける検討は十分ではない。2005年から2015年までの自治医科大学附属病院での405例の膵切除標本をすべてレビューした結果、70例(約18%)にAFLおよびその類似病変が認められた。ヒトにおけるAFLは家族性膵癌においては確認されるが、孤発性膵癌においてはほとんど認めないとの報告があるが、今回の結果はそれより高い頻度である他、非膵癌症例における背景膵においてもAFLが確認された。その他、現在解析中であるが、膵癌の背景膵や家族性膵癌に多いわけではなかった。AFLが確認されたパラフィンブロックから組織マイクロアレイをを作製し、免疫組織化学を試行中である。現在までのところ、AFL細胞にPdx1の発現が半数に見られたが、p53の過剰発現はほとんど認めなかった。大部分は幹細胞マーカー(CD133)を発現していた。今後、周囲環境の特徴などについて調べていき、AFLの膵癌前駆病変としての意義も明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、膵管内腫瘍の内、非浸潤病変~微小浸潤を伴うもの、浸潤癌を伴うものを整理して、組織マイクロアレイの構築などを行っているが、一方でパイロット的に行っている「微小環境関連因子の検索」がやや遅れている。遅れの原因は、標本作製、染色、データ検索などに予想以上に時間がかかったこととマンパワー不足である。
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Strategy for Future Research Activity |
4月に加わった大学院生とともに不十分な事項を一つ一つの埋めていきたい。
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Causes of Carryover |
症例整理、データベース作成、解析候補分子の探索のために時間を要したため、最終年度に行う主たる解析(抗体などの試薬等)に充当させて頂きたいと考えています。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
膵癌の前駆病変(PanIN,IPMN,AFL)とその周辺環境の解析のための試薬の購入に充当する予定です。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] A Revised Classification System and Recommendations From the Baltimore Consensus Meeting for Neoplastic Precursor Lesions in the Pancreas.2015
Author(s)
Basturk O, Hong SM, Wood LD, Adsay NV, Albores-Saavedra J, Biankin AV, Brosens LA, Fukushima N, Goggins M, Hruban RH, Kato Y, Klimstra DS, Klöppel G, Krasinskas A, Longnecker DS, Matthaei H, Offerhaus GJ, Shimizu M, Takaori K, Terris B, Yachida S, Esposito I, Furukawa T.
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Journal Title
Am J Surg Pathol.
Volume: 39(12)
Pages: 1730-1741
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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