2016 Fiscal Year Annual Research Report
Proteomic analysis of bile
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26460426
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
柳澤 信之 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (80337914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村雲 芳樹 北里大学, 医学部, 教授 (40324438)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胆嚢癌 / 胆嚢炎 / 発癌 / LC-MS解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度までの期間において、種々の胆嚢炎症例(正常コントロールを含む)204例と胆管癌30例、胆嚢癌15例、膵胆管合流異常症5例、胆嚢adenoma4例の胆汁・胆嚢粘膜(31歳~87歳)を収集した。一部の症例については腫瘍部の新鮮凍結材料も採取出来た。胆汁サンプルのタンパク抽出調製については、症例間での胆汁の性質(色調・粘調性)にかなりの多様性がみられ、実際にタンパク濃度にも大きく差があった。従ってLC-MS用の胆汁サンプルの調整法について、最適と思われる方法を検討した。複数回のLC-MS解析結果を1つにまとめ、検出ペプチド数1000以上の例について絞り検討したところ、最終的に正常コントロール4例・胆嚢炎7例・胆石症(炎症なし)2例・胆嚢adenoma1例・膵胆管合流異常症1・胆嚢癌6例(うち4例は2回ずつ解析)、計25例となり、同定した総タンパク数は3762種類となった。そのうち胆嚢癌でのみ検出されたタンパクは42種類(2例以上。3例以上は9種類)、adenomaのみは53種類、膵胆管合流異常症のみは39種類で、胆嚢炎・胆嚢癌で検出されたタンパクは計217種類であった。これらの中で、特異的抗体のある興味深いタンパク計9種類を選定しウエスタンブロッティングで発現確認を試みた。 胆汁から抽出したタンパクを濃度計測し、10µg量を用いたウエスタンブロッティングでは注目したマーカーにおいて明瞭な目的バンドが検出出来なかった。コントロールとしてのBeta-actinについても検出が困難であったため、解析方法間の検出感度差に加え胆汁中タンパクの高度変性・分解状態が想定された。現在免疫沈降によるタンパク濃縮後検体の検討を考慮するとともに、新鮮凍結組織から抽出したタンパクについてウエスタンブロッティングを行っている。
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