2014 Fiscal Year Research-status Report
胃底腺型胃癌発生におけるWnt系・Hedgehog系とGNAS遺伝子変異の関与
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26460428
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
八尾 隆史 順天堂大学, 医学部, 教授 (20243933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 剛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80439736)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胃底腺型胃癌 / GNAS / Wnt/β-catenin signal系 / KRAS |
Outline of Annual Research Achievements |
胃底腺型胃癌において、GNAS/KRAS遺伝変異とWnt/β-catenin signal系との関連性について検討した。胃底腺型胃癌26症例においてGNAS変異を5例(19.2%)%に、KRAS変異を2例(7.7%)に認めた。KRAS変異を認めた2症例はGNAS変異も伴い、それらはAxin2の変異も伴っていた。GNAS変異症例の腫瘍は、大きさや浸潤距離が大きい値を示していた。 GNAS変異を認めた5例のうち3症例はWnt/β-catenin signalを活性化させるβ-catenin (CTNNB1), Axin, APCの遺伝子変異は認めなかった。以上のことから、GNAS変異が、Wnt/β-catenin signal の活性化に直接、もしくは間接的に関与していることが示唆された。 胃底腺型胃癌の発生あるいは発育進展には、 Wnt/β-catenin signalに加え、GNAS/KRAS等の複数の遺伝子変異により引き起こされている可能性が示唆された。 また、GNAS/KRAS遺伝変異は腫瘍径や浸潤距離にも関与している可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が新しく提唱した胃底腺型胃癌の臨床病理学的特徴がより明瞭になるとともに、その発生あるいは発育進展に関連した遺伝子異常が少しづつではあるが判明しており、今後の解析による更なる新知見が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
Hedgehog(Hh)シグナル伝達系の関与について今後検索する予定である。まずは、Hh系ligandとしてSonic Hh, Indian Hh(IHH), Desert Hhの3種類、受容体としてpatched 1(PTCH1), smoothenedの2種類、Hh系下流の標的分子としてGLI-1/2/3, FOXA2, ISL1, BMP4, FOXM1の抗体を用いた免疫染色を施行する。
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Causes of Carryover |
前年度の研究において必要なものをすべて購入した結果余剰金となった。次年度の研究にはより多額の経費が必要となる可能性があり、不必要なものを無理に購入しなかった結果です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
継続する研究の試薬の購入予定
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