2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of pathophysiology of intratumoral microenvironments in glioblastoma using spheroid culture and histopathology
Project/Area Number |
26460434
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木村 徳宏 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40445200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 栄二 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30232177)
石井 文彩 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50634747)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 病理学 / 癌 / 細胞・組織 / 脳神経疾患 / 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、これまでの研究でスフェロイド中心部に出現する細胞死の主要な原因と判明したグルコース欠乏と低酸素について、膠芽腫細胞の機能に与える影響を検討した。幹細胞機能との関連が指摘されているPSF1タンパク質の発現量を調べたところ、膠芽腫由来細胞株T98Gの単層培養系において、グルコース欠乏、低酸素(1%酸素)ともに、発現量の低下を引き起こすことがWestern blot法により明らかとなった。定量RT-PCR法によるmRNAレベルでの検討では、PSF1 mRNAの量もグルコース欠乏、低酸素により減少していた。一方、グルコース欠乏または低酸素下で培養した細胞を、再びグルコースに富む培地や通常の酸素濃度に曝露すると、PSF1 mRNAおよびタンパク質の量は上昇したことから、上記のPSF1発現の変化は可逆的な過程であることが示唆された。ヒト膠芽腫切除標本を用いてPSF1の免疫染色を行うと、壊死巣の周囲の領域では、壊死のない領域に比べて、陽性率が著明に低下しており、壊死巣周囲の微小環境ではグルコース欠乏や低酸素の影響により腫瘍細胞のPSF1発現が低下しているという可能性が示唆された。 研究期間全体を総合すると、種々の膠芽腫細胞株を用いたスフェロイド培養の方法・条件を確立し、細胞株ごとのスフェロイドの特徴を明らかにした。スフェロイドの中心部に出現する細胞死の要因としてグルコース欠乏、低酸素が関与していることを見出し、それらの条件下での膠芽腫細胞の機能変化の一端を明らかにした。
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