• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

血管肉腫におけるスフィンゴシン-1-リン酸受容体の発現と治療への応用

Research Project

Project/Area Number 26460445
Research InstitutionKawasaki Medical School

Principal Investigator

定平 吉都  川崎医科大学, 医学部, 教授 (30178694)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 秋山 隆  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80294411)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords血管肉腫 / スフィンゴシン-1-リン酸レセプター1 / 細胞遊走 / 細胞走化性 / FTY720 / siRNA
Outline of Annual Research Achievements

本年度は研究計画の平成27年度分を先行させた。
(1)血管肉腫細胞株であるASO-HASおよびMO-LASにおけるスフィンゴシン-1-リン酸レセプター1(S1PR1)の発現量をqRT-PCRおよびWestern blotで比較したところ、MO-LASの方が高発現していたため、以後の実験にはMO-LASを使用した。MO-LASのセルブロックを用いた免疫細胞化学では、S1PR1は細胞突起の細胞膜に強陽性となった。(2)非血清存在下で、S1PによるMO-LASの細胞遊走能および細胞走化性の亢進をtime-lapse videoによるwound healing assayおよびtranswell migration assayで確認した。MO-LASにS1PR1のsiRNAをリポフェクタミン法で導入し、選択的にノックダウンした場合には、蛋白レベルでもS1PR1が減少していることが確認でき、さらにS1Pへの走化性も低下していた。(3)リン酸化 FTY720(FTY720-P)を添加後では、MO-LASのS1PR1の内在化及び分解が確認された。FTY720-Pによる前処置後では、MO-LASの血清への走化性は濃度依存性に抑制された。使用した濃度では、MO-LASにアポトーシスは誘導されなかった。(4)低酸素下では、MO-LASのHIF-1蛋白の分解は抑制され、SPHK2、S1PR1、STAT3の発現亢進が認められ、また細胞走化性が亢進したが、FTY720-P(100nM)添加では、定常状態に比較してその細胞走化性抑制効果が減弱した。以上より、臨床的に応用されている濃度のFTY720-Pが、S1PR1の機能的アンタゴニストとして血管肉腫細胞の転移を抑制することが示唆されたが、周囲の酸素濃度により、その有効性が左右される可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成26年度の計画であった「血管肉腫におけるS1PR関連分子発現の臨床病理学的意義について検討」は血管肉腫の症例の蓄積に乏しいため、平成27年~平成28年度にかけて行うこととした。そこで平成26年度は、平成27年度の研究計画である「①血管肉腫培養細胞にS1PRのsiRNAを導入し、血清に存在するS1Pに対する細胞走化性の変化について検討する。②S1PR1~5それぞれに特異的なmodulatorによる培養細胞の細胞増殖の抑制・アポトーシスの誘導・細胞走化性の抑制の有無を検討する。③Modulatorについては、低酸素状態の影響も調べる」を行った。上記の研究実績の概要でも示したように、S1PR1の機能的なアンタゴニストであるFTY720の臨床的使用濃度範囲内で、血管肉腫細胞株であるMO-LASの細胞遊走や走化性が抑制され、かつ低酸素下ではFTY720-Pの抑制作用は減弱することが判明した。以上、当初計画の平成27年度分に関しては、siRNAの導入実験などがS1PR1に限られたため、当初の計画より多少遅れているように思う。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度の研究計画である「S1PR1~5それぞれに特異的な拮抗薬の治療応用について,SCIDマウスへの腫瘍の移植系を用いて検討する」について、血管肉腫細胞株MO-LASをSCIDマウス(C.B17/lcr-scidJcl)およびNOD/ShiJic-scidJclに移植し、予備実験を行ってみたが、腫瘍形成には至らなかった。そのため、in vivoでの拮抗薬の効果を試すことは困難と考え、平成27年度の前半は、siRNAによるS1PR2, S1PR3, SPHK1のノックダウンによるMO-LAS細胞機能の変化を引き続き検討したい。また、さらに平成27年度後半からは、平成26年度の計画であった「血管肉腫におけるS1PR関連分子発現の臨床病理学的意義についての検討」のうち、「血管肉腫症例および血管肉腫細胞株の免疫組織化学的染色」について,パラフィン包埋切片および培養細胞を,①抗sphingosine kinase 1 Rabbit Ab ②phospho-p44/42 MAPK (Erk1/2) (Thr202/Tyr204) (20G11) Rabbit mAb ③phospho-STAT3 (Y705)を用いて自動免疫染色装置(Ventana XT system Discovery)で染色する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 血管肉腫におけるS1P/S1PR1シグナルの治療標的の可能性の検討2015

    • Author(s)
      岡大五、是澤里紗、藤原英世、西村広健、伊禮功、秋山隆、濱崎周次、定平吉都、増澤幹男
    • Organizer
      第104回日本病理学会総会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場(愛知県・名古屋市)
    • Year and Date
      2015-05-02
  • [Remarks] 科学研究費補助金による研究

    • URL

      http://www.kawasaki-m.ac.jp/pathology/

URL: 

Published: 2016-05-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi