2015 Fiscal Year Research-status Report
胸膜肉腫型中皮腫の網羅的遺伝子発現解析に基づく病理鑑別診断への応用
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26460452
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武島 幸男 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70236462)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中皮腫 / 肺癌 / 鑑別診断 / 免疫組織化学的染色 / マイクロアレー |
Outline of Annual Research Achievements |
肉腫型中皮腫と肺多形癌の鑑別のため,それぞれ6例の症例を収集し、それぞれからmRNAを抽出して、網羅的な遺伝子発現解析を行った。その結果、ムチンコア蛋白をコードするMUC4 geneのmRNAが肺癌のほうで、より高い発現を示していることが明らかとなった。 この知見から抗MUC4抗体を用いて、肉腫型中皮腫31例、肺肉腫様癌29例の免疫染色を行った。その結果、蛋白レベルでもMUC4の発現は肉腫型中皮腫 0/31 (0%), 肺肉腫様癌 21/29 (72.4%)と肺肉腫様癌に有意に高い発現が見られることがわかった。これらの所見はMUC4が中皮腫の陰性マーカーとして応用できる可能性を示唆した。また、MUC4は、従来から中皮腫の鑑別マーカーとして用いられてきた、calretinin, D2-40, p40, TTF-1, Claudin-4よりも正診率が高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
mRNAの網羅的な遺伝子発現解析から肉腫型中皮腫と肺肉腫様癌を鑑別するための有用なマーカー(MUC4)を1つ見つけ、実際の例に応用しその有効性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロアレー解析では、MUC4以外に発現に差のある他のマーカーも見出しているので,これらのマーカーも免疫染色に応用する。また、症例数を増やしてより確実なデータとする。
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