2015 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸部細胞浮遊液を活用したHPV持続感染予測と細胞診の検出感度向上に関する研究
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26460459
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
大河戸 光章 杏林大学, 保健学部, 講師 (10276206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 雅彦 杏林大学, 保健学部, 教授 (50108065)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハイリスクHPV / 子宮頸部細胞診 / integration |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸がん検診制度で得られる貴重な子宮頸部細胞浮遊液を最大限に活用する体制を整えることを目的として、平成27年度も【1】HPV量とintegration解析による持続感染予測に関する研究、【2】細胞診上皮内病変・HR13陰性症例におけるHR-susp.9の検出と細胞所見に関する研究、。【3】細胞診陰性(NILM)・HR-HPV陽性症例におけるHR-HPV感染細胞検出に関する研究に取り組んだ。【1】については、さらに208例の症例を追加(計410例)して、16型の単独感染例をHR13およびマイナーハイリスク(HR-susp.9)の解析し、約30例の16型単独症例を収集して、E2、E6領域のシークエンス解析しプローブ反応部位の多型を調べた。今後は集積した検体を用いてintegration解析する。次に【2】については、細胞診でLSIL以上かつCIN1以上の症例(組織診の裏付けがとれた症例)を150例追加して解析した。その結果、前年と同様にHR13は15%、そのうち80%の症例でHR-susp.9が検出され、残りの20%ではHR-susp.9以外のリスク未確定のHPVが検出された。この結果からCINの検出感度を向上させるならばHR-susp.9は勿論、更にHPV型を追加して検出する必要があると考えた。【3】については、既に我々が報告している圧排した二核細胞が多々認められることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【1】HPV量とintegration解析による持続感染予測に関する研究において、HPVの存在を突き詰めると、単独感染と思われていた症例のほとんどが複合感染であった。そのため予定通りの症例が収集できていないことが理由である。今後も精力的に解析して検体収集に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
【1】HPV量とintegration解析による持続感染予測に関する研究:計30症例ではあるが、この症例を用いて、integaration解析し、結果を調査する。 【2】細胞診上皮内病変(SIL)・HR13陰性症例におけるHR-susp.9の検出と細胞所見に関する研究:組織診の裏付けがとれた症例をさらに追加し、HPV感染による細胞変化を明らかにする。 【3】細胞診陰性(NILM)・HR-HPV陽性症例におけるHR-HPV感染細胞検出に関する研究:NILMにおいて出現する圧排した二核細胞がHPV感染細胞かどうかをin situ PCRで証明する。
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Causes of Carryover |
16型単独感染症例をある程度、収集後にintegration解析する予定のため、消耗品費はほとんど掛からなかった。その代わり、症例収集のために人件費を用いた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検体の収集がほぼ終了したので、今年度にHPV量とintegration解析を集中して行う。これにより消耗品費等の経費が抑えられる。また引き続き、HR13陰性症例のHPV解析、NILMにおけるHR-HPV感染細胞の検出に関する研究を実施する。
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