2016 Fiscal Year Research-status Report
低酸素微小環境によるHOX遺伝子の発現変化とがん細胞浸潤能の増強
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26460466
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
浜田 淳一 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50192703)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 転移 / ホメオボックス遺伝子 / HOX / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに細胞の位置情報の担い手であるHOX遺伝子のひとつHOXD3の過剰発現がヒト肺がん細胞A549の転移・浸潤能を増強することを見出してきた。一方、固形がん組織においてしばしば存在する低酸素環境は、がん細胞の転移・浸潤能を増強する場合が知られている。そこで本プロジェクトでは、低酸素環境下でのHOXD3の発現とその増殖能、転移・浸潤能におよぼす影響、ならびに低酸素環境下におけるHOXD3過剰発現A549細胞の動態について検討した。平成28年度は、低酸素微小環境における遺伝子発現プロファイルを、HOXD3過剰発現A549細胞と空ベクターを導入した対照A549細胞との間で比較するために、それぞれの細胞からmRNAを抽出した。これらのmRNAを材料として、cDNAマイクロアレイ解析を行い、得られたデータをもとに遺伝子発現プロファイリングを現在行っている。一方で、10株のヒト肺がん細胞株のHOXD3の発現を、RT-PCR法にて調べた。このうちHOXD3発現の高かった株について、HOXD3遺伝子の発現をsiRNAで抑制する試みを行った。現在、RT-PCR法とウエスタンブロット法でHOXD3の発現レベルと他の38個のHOX遺伝子の発現について確認している。また、低酸素刺激によるHOXD3遺伝子の発現亢進機構については、HOXD3のプロモーター領域のクローニングがうまくいかず、計画どおりに進めることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度から職場が北海道大学から北海道医療大学に異動した関係で、実験機器の不備等があり、予定通りに実験を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間の延長が承認されたので、平成29年度には大学の実験共通スペース等を使用して研究を完遂する。
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Causes of Carryover |
平成28年4月に北海道大学から北海道医療大学に異動したため、研究環境が変化した。特に、実験な必要な機器の不備があり、予定通りに研究を進めることができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に遂行できなかった実験(特にアレイ解析と免疫組織化学的解析)を重点的に進める。
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