2014 Fiscal Year Research-status Report
心筋リモデリング(組織再改築)を抑制する非翻訳RNAの探索と機能制御
Project/Area Number |
26460480
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
赤坂 喜清 東邦大学, 医学部, 教授 (60202511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 利雄 東邦大学, 医学部, 助教 (00723719)
石川 由起雄 東邦大学, 医学部, 客員講師 (30276894)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | microRNA / 心筋リモデリング / bFGF / 線維芽細胞 / 間質線維化 / 高血圧 / 実験動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】非翻訳RNAのmicroRNAは標的mRNAに結合し翻訳抑制から蛋白発現を強力に制御する。今回心筋間質線維化で惹起される心筋リモデリング(組織再改築)による慢性心不全の解明のため、我々独自に確立したbFGF誘導性心筋リモデリング抑制系の網羅的解析から間質線維化抑制microRNAを探索する。同定されたmicroRNA投与実験から複数の標的遺伝子の発現制御から心筋リモデリング抑制を促進し、慢性心不全進行予防を目指すヒト臨床応用可能な実験系を確立する。【研究実施計画】① bFGF 投与による心筋間質線維化抑制と心筋リモデリング抑制の検証:高血圧性Dahl rat心にbFGFを心筋内投与しbFGFによる心筋間質線維化抑制と心肥大抑制能を検証し、bFGFによる高血圧性心筋リモデリング抑制能を実証した。培養心筋間質線維芽細胞を用いてbFGFによるCollagen type Ⅰ, ⅢとMMP-2,3,9の発現抑制、TIMP-1の発現増加やMMP-2, 9の活性抑制を確認し、bFGFによる心筋間質線維化抑制をin vitroで実証した。② bFGFによる心筋間質線維化抑制microRNAの網羅的解析:bFGF投与48時間目の培養心筋間質線維芽細胞においてExiqon社のReal-time PCR arrayによるmicroRNAの網羅的解析を実施した。コントロール群に比べて投与群で有意に発現上昇するmiR-29c-3pを選定した。さらにDahl rat心筋間質における選定されたmiR-29c-3pの局在をin situ hybridization法で観察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
bFGF 投与による心筋間質線維化と心筋リモデリングの抑制能を臓器レベルで実証した。さらに培養心筋間質線維芽細胞を用いてbFGF 投与による組織修復蛋白の発現変化を解析し、培養細胞レベルでbFGF による心筋間質の線維化抑制能を実証した。さらにbFGF 投与における培養心筋間質線維芽細胞の網羅的解析を実施してmiR-29c-3pを選定した。
|
Strategy for Future Research Activity |
①miR-29c-3pの局在観察と発現変化:高血圧性Dahl rat心におけるmiR-29c-3pの発現部位をin situ hybridization法で同定し、bFGF投与Dahl rat心におけるmiR-29c-3pの局在や発現頻度の変化をコントロールと比較検討する。 ②miR-29c-3pの標的蛋白の選定:miR-29c-3p標的遺伝子候補から、組織修復関連蛋白に関与する遺伝子を選定する。候補遺伝子をbFGF 投与による培養心筋間質線維芽細胞における蛋白発現から解析する。そしてbFGFによるmiR-29c-3p発現増加過程で発現減少する蛋白をmiR-29c-3p標的遺伝子として選定する。
|
Causes of Carryover |
次年度にmiR-29c-3pの標的蛋白を同定するため、miR-29c-3p阻害剤やMimicの投与実験が必要である。高額なmiR-29c-3p阻害剤やMimicを購入するために、本年度の予算の一部を次年度に繰り越した。miR-29c-3p阻害剤やMimicを購入して平成27年度より新たな感作実験系を立ち上げ、心筋間質線維芽細胞におけるmiR-29c-3pの標的蛋白の同定に努める。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
心筋間質線維芽細胞培養2日目にmiR-29c-3pのInhibitorやMimicをTransfectionする。48ないし72時間感作した後bFGFを投与して96時間目に蛋白回収する。Inhibitorには通常のInhibitorとcontrolがそれぞれ¥64240(合計¥128480)であり、強力なInhibitorであるPower Inhibitorとcontrolがそれぞれ¥87120(合計¥174240)が必要である。またin vivo感作予備実験のためのPower Inhibitor¥99000を必要とする。感作実験をそれぞれ3回施行するので合計¥1205160が必要となる。前年度に選定された標的候補の蛋白分子についてウエスタン法を施行して、その特異的発現変化を示す蛋白をmiR-29c-3pの標的蛋白として同定する。標的候補の蛋白分子の同定には抗体が必要であり、予想される分子の抗体(¥80000)5本購入すると合計¥400000が必要となる。残りの¥57059はウエスタン法試薬に用いる。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Antifibrotic response of cardiac fibroblasts in hypertensive hearts through enhanced TIMP-1 expression by basic fibroblast growth factor2014
Author(s)
Kinoshita T, Ishikawa Y, Arita M, Akishima-Fukasawa Y, Fujita K, Inomata N, Suzuki T, Namiki A, Mikami T, Ikeda T, Yamazaki J, Ishii T, Akasaka Y.
-
Journal Title
Cardiovascular Pathology
Volume: 23
Pages: 92-100
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant