2017 Fiscal Year Annual Research Report
The pathophysiology in hypoadiponectinemia
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26460494
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
中野 泰子 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (20155790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根来 孝治 帝京平成大学, 薬学部, 講師 (70218270)
谷岡 利裕 昭和大学, 薬学部, 講師 (80360585) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炎症 / アディポネクチン / 生活習慣病 / 未病状態 / マクロファージ / アディポネクチントランスジェニックマウス / 低アディポネクチン血症 / 易炎症性 |
Outline of Annual Research Achievements |
アディポネクチンは炎症を抑制し糖尿病や動脈硬化などを防止する脂肪細胞が血液中に放出するタンパク質である。糖尿病などの生活習慣病の人ではその血中濃度が低いことが分かっている。また、我々が作成したアディポネクチンのセンストランスジェニックとアンチセンストランスジェニックマウスを用いた検討で、センストランスジェニックマウスでは血中濃度が野生型と比して有意に高く炎症モデルでの検討で抗炎症性であったが、一方、アンチセンストランスジェニックマウスでは野生型と比して血中濃度に有意な差はないものの易炎症性で炎症の重症化や遷延化が認められた。 そこでアンチセンストランスジェニックマウスのこの未病状態を網羅的に解析することを目的に、野生型マウスを対照として、8週令と15週令の血漿、脂肪、肝臓、骨格筋のアミノ酸解析、血漿のサイトカイン解析、8週令の肝臓と脂肪、15週令の骨格筋で発現している遺伝子のGeneChipによる解析、26週令までの表現型解析として血算や尿検査、血清の生化学検査、ブドウ糖負荷試験、骨密度・体脂肪測定、脾臓細胞のFACS、26週での剖検を行い、膨大なデータを取得した。これらの表現型解析では多少の違いは有るものの大きな違いは認められなかった。一方、脂肪組織や骨格筋の遺伝子発現には大きな差が認められ、アンチセンストランスジェニックマウスでは炎症性のサイトカインやシグナル系に明確な変化は見られないものの、短鎖脂肪酸が結合すると炎症収束に働くFFAR2遺伝子の発現が低下しているなどの易炎症性状態の原因と思われる変化が認められた。また、グルコース代謝系や脂質代謝系、グリコーゲンなどのエネルギー源の蓄積に関わる遺伝子群の発現が低下しており、エネルギー産生ができない状態が易炎症性や重症化をもたらしていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)