2014 Fiscal Year Research-status Report
マラリア原虫赤血球侵入リガンド分子の細胞内輸送メカニズムの解明
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26460507
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大槻 均 鳥取大学, 医学部, 講師 (80403806)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マラリア / 赤血球侵入 / 細胞内輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫赤血球侵入分子EBLの細胞内輸送メカニズムを解明するため、まずEBLと相互作用する分子の同定を目的として遺伝子組換えPlasmodium yoelii原虫を作製し実験を行った。 まず、EBLのC末端にGFPを融合させた組換え原虫であるEBL-GFP原虫を作製し、同時にEBLの細胞内輸送ドメインである領域6を欠失させ分子末端にGFPを同様に融合させたΔR6-GFP原虫を作製した。作製した組換え原虫は限外希釈によってクローン化し、以後の実験に用いる事とした。 これらの組換え原虫について、EBLのメロゾイトにおける細胞内局在を間接蛍光抗体法で観察した所、EBL-GFP原虫のEBLは野生型原虫と同様の局在を示し、GFP融合による局在の変化が無い事を確認した。それに対してΔR6-GFP原虫はコントロールである野生型原虫およびEBL-GFP原虫とは明らかにEBLの局在が異なっており、領域6の欠失によってEBLの細胞内局在に変化が生じる事を確認した。 これらの原虫をマウスに感染させ、分裂体期原虫を密度勾配法によって濃縮したサンプルを作製した。これらのサンプルを抗GFP抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った所、EBL-GFP原虫では131kDa 、ΔR6-GFP原虫では124kDaの特異的なバンドが得られた。このバンドサイズの差は領域6を欠失した事によるものであり、これらの原虫のEBL分子が抗GFP抗体で認識できる事が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫沈降反応での相互作用分子の検出を目標にしているが、これに適合した抗体の選定に時間を要した。抗体を準備できたので、今年度以降は実験を加速させてゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
GFPを融合したEBL分子の検出が市販の抗GFP抗体で行える事が分かったので、今後はこれらの抗体を用いて免疫沈降実験を実施し、EBL分子領域6と相互作用し、EBLの細胞内輸送に関わる分子の同定を目指す。最終的にはマラリア原虫の赤血球侵入メカニズムに重要な分子の原虫内での動態の解明に繋げてゆきたい。
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Research Products
(1 results)