2015 Fiscal Year Research-status Report
マラリア原虫赤血球侵入リガンド分子の細胞内輸送メカニズムの解明
Project/Area Number |
26460507
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大槻 均 鳥取大学, 医学部, 准教授 (80403806)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | マラリア / 赤血球侵入 / 細胞内輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫赤血球侵入分子EBLの細胞内輸送メカニズムを解明するため、前年度よりEBLと相互作用する分子の同定を目的として遺伝子組換えPlasmodium yoelii原虫を作製し実験を行っている。 前年度にはEBLのC末端にGFPを融合させた組換え原虫であるEBL-GFP原虫およびEBLの細胞内輸送ドメインである領域6を欠失させ分子末端にGFPを同様に融合させたΔR6-GFP原虫を作製し、これらを用いて実験を行っている。ΔR6-GFP原虫はコントロールである野生型原虫お よびEBL-GFP原虫とは明らかにEBLの局在が異なっており、領域6の欠失によってEBLの細胞内局在に変化が生じる事を確認した。 また、ウエスタンブロット法によりこれらの原虫のEBL分子が抗GFP抗体で認識できる事が分かった 27年度は作製したP. yoelii 17X株原虫を改変したEBL-GFP原虫およびΔR6-GFP原虫を用いて、領域6に結合する輸送タンパク質を探索する目的で免疫沈降実験を行った。それぞれの原虫のEBLのC末端にはGFPタグを付加してあり、このGFPに対する抗体で沈降反応を行う事で、EBL本体と相互作用する分子の結合を阻害しない事を考慮して実験を行った。銀染色でプルダウンされたタンパク質のバンドを観察したが、実験に用いた原虫数が少なかったためか現在に至るまで明瞭なバンドの相違を観察出来ないい状態である。 28年度では原虫数を増やし、さらに鋭敏な検出系を用いるなどして再度実験をおこなう準備をしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在作製した組換え原虫を用いてEBL領域6に相互作用する分子の探索を行っている。 抗GFP抗体を用いた免疫沈降実験で組換え原虫とコントロール原虫のバンドの差の検出を試みているが、現在の所明瞭な差を捉えられていない。抗GFP抗体を用いたEBLの検出は行えているので、免疫沈降実験に関連した問題であると考えている。抗原量の不足、より結合能が高く免疫沈降実験に適した抗体の使用などについて検討を行っているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
EBL領域6と相互作用する分子をEBLとの結合している分子から検出して同定するのが現在の目標である。このために、抗原量を十分に増やして実験に用いる事、免疫沈降実験に適した抗GFP抗体を選定する事、より鋭敏な検出系を選定する事の3点が重要であると考えている。今後はこれらについて一つ一つ実験を行い、当初の目的を達するための実験の推進を行ってゆく。
|