2015 Fiscal Year Research-status Report
蛍光ナノ粒子を用いた赤痢アメーバ症迅速診断法の開発
Project/Area Number |
26460516
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橘 裕司 東海大学, 医学部, 教授 (10147168)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 原虫感染症 / 診断 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、赤痢アメーバ症の確定診断のために迅速で簡便に実施でき、しかも高感度で特異性の高い新規の検査法を確立することを目的としている。今年度は、蛍光シリカナノ粒子を用いたイムノクロマト法による抗赤痢アメーバ抗体の検出系について、更に検討を進めた。蛍光物質を内包したシリカナノ粒子の表面に、大腸菌で作製した赤痢アメーバ Gal/GalNAc lectin intermediate subunit のC末端側組換えタンパク質(C-Igl)を結合させ、緩衝液ともにチューブ内で凍結乾燥した。一方、メンブレン上にもC-Iglを線状に塗布し、裁断後にイムノクロマト用のハウジングを行った。検体をチューブ内のナノ粒子と混合した後、イムノクロマト法で反応させ、蛍光強度を専用機器によって測定した。間接蛍光抗体法において抗体価が強陽性から弱陽性を示す複数の赤痢アメーバ症患者血清を用い、適切な検体量と反応時間について検討した。その結果、血清20 μlを使用した場合は30分、40 μlを使用した場合は15分の反応時間が適切であった。更に、健常者血清30検体の蛍光強度平均値+3SDをカットオフ値とし、アメーバ性肝膿瘍患者、アメーバ性大腸炎患者、無症候性赤痢アメーバ嚢子排出者の各20検体について評価を行った。その結果、無症候性嚢子排出者の血清でも明瞭な陽性反応が認められるなど、感度の高い検出系であることを確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病態の異なる赤痢アメーバ症患者血清を用いて評価を行い、蛍光ナノ粒子を用いたイムノクロマト法が高感度の抗体検出系であることを確認できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
更に多くの臨床検体を用いて評価を行う。また、赤痢アメーバ抗原検出系についても検討する。
|
Causes of Carryover |
人件費や謝金に支出しなかったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費と試作品の作製費用に充当する予定である。
|
Research Products
(4 results)