2015 Fiscal Year Research-status Report
毒素性ショック症候群毒素-1による黄色ブドウ球菌オートファジー回避機構の解明
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26460517
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
浅野 クリスナ 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70598622)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TSST-1 / オートファジー / 黄色ブドウ球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) H26年度は、TSST-1オートファジー抑制効果メカニズムの標的タンパク質としてSeptin 7を同定した。平成27年度はTSST-1とSeptin 7の相互作用、およびオートファジーとの関連について研究を進めた。GFP-Septin 7発現HeLa 229を作製し、これを用いて解析を行ったところ、TSST-1がHeLa 229に内在化し、Septin 7と共局在することが判った。Torin-1によりオートファジー誘導したHeLa 229ではSeptin 7とオートファゴゾームの共局在がみられたが、TSST-1を添加するとオートファゴゾームが減少し、Septin 7とオートファゴゾームの共局在も減少した。そして、この系においてSeptin 7のサイレンシングを行ったところ、TSST-1によるオートファジー抑制がキャンセルされた。これらの結果により、Septin 7がTSST-1によるオートファジー抑制を媒介することが示唆された。 (2) 黄色ブドウ球菌(S. aureus)の感染におけるTSST-1の効果をin vitroあるいはin vivoで検討するため、平成26年度はTSST-1非産生菌株にTSST-1を導入した組換え体を作製した。またスーパー抗原活性欠損TSST-1 (mTSST-1)産生黄色ブドウ球菌株も作製した。平成27年度は、得られた黄色ブドウ球菌株のin vitro感染におけるオートファジー抑制について解析した。mTSST-1を発現する黄色ブドウ球菌をHeLa 229に感染させると、野生型TSST-1を発現する菌に比べ、オートファゴゾーム、細胞内菌数、細胞毒性が全て減少した。これらにより、黄色ブドウ球菌感染におけるTSST-1のオートファジー抑制を明示する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TSST-1のSeptin-7を介したオートファジー抑制効果について、分子メカニズムの全容を解明した。また、TSST-1、mTSST-1産生および非産生黄色ブドウ球菌株のin vitro感染実験によりTSST-1オートファジー抑制効果を明確に示した。
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Strategy for Future Research Activity |
黄色ブドウ球菌感染に対するTSST-1のin vivoにおける機能を複数のマウス感染モデルを用いて検証する。TSST-1のオートファジー抑制効果は、GFP-LC3マウスとオートファジーKOマウスを用いて更に検証する。また、TSST-1オートファジー抑制におけるSeptin 7の媒介については、Septin 7 KOマウスを用いたin vivoでの検証を行なう予定である。
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Causes of Carryover |
TSST-1によるオートファジー抑制機構をin vivoで検証するため、Septin 7 KOマウスを作製依頼中である。この行程に5-6ヶ月を要するため、これにかかる研究費を保留にした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物の作製費、輸送費、および維持費、オートファジー欠損細胞株および培地、細菌・細胞培養用試薬および消耗品、細菌感染解析用抗体および試薬類、遺伝子解析用試薬および消耗品、学会発表および論文発表の経費に使用する予定である。
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[Journal Article] Identification and characterization of a novel staphylococcal emetic toxin2015
Author(s)
Ono HK, Sato'o Y, Narita K, Naito I, Hirose S, Hisatsune J, Asano K, Hu DL, Omoe K, Sugai M, Nakane A.
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Journal Title
Appl Environ Microbiol
Volume: 81
Pages: 7034-7040
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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