2015 Fiscal Year Research-status Report
2本鎖RNAによるNK細胞非依存性感染抵抗性増強機構の解明
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26460518
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
江本 正志 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (70232981)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 二本鎖RNA / NK細胞 / Listeria monocytogenes |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、二本鎖RNAはナチュラルキラー細胞(NK細胞)上に発現したToll-like receptor-3(TLR-3) に結合すること、並びにTLR-3からのシグナルを介して本細胞を強く活性化することが知られていた。しかし、申請者はNK細胞の増殖に必須のIL-15を遺伝的に欠損したマウス並びにTLR-3を遺伝的に欠損したマウスに二本鎖RNAを予め投与しておくと、細胞内寄生細菌であるListeria monocytogenes (リステリア)に対する感染抵抗性が著しく増加することを見出した。そのため、そのメカニズムを解明するべく、実験を重ねてきた。その結果、確かにNK細胞を欠損しているマウス(IL-15遺伝子欠損マウス並びにTLR-3を遺伝的に欠損したマウス)に二本鎖RNAを投与すると、Listeria monocytogenesに対する感染抵抗性が著しく増加すること、並びに肝臓や脾臓のような標的臓器における炎症の著しく抑制されることが明らかとなった。通常、Listeria monocytogenes をマウスに感染すると、主要標的臓器である肝臓に多数の好中球の浸潤が認められるが、予め二本鎖RNAを投与しておくと、Listeria monocytogenes を感染しても殆ど好中球が肝臓に浸潤しないことも明らかにした。このことは、二本鎖RNAを介したListeria monocytogenesに対する感染抵抗性の増加には確かにNK細胞非依存性の経路が存在していることを示すと共に、感染の極めて早期に二本鎖RNAが作用し、Listeria monocytogenesの増殖のみならず、組織障害を抑制していること、並びにListeria monocytogenesを早期に排除することにより、炎症性の細胞が速やかに炎症局所から撤退していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遺伝子欠損マウスの繁殖が全く思うように進まず、著しく遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子欠損マウスのブリーディングペアを再度購入し、繁殖からやり直したほうが良いのではないかと考えている。
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Causes of Carryover |
遺伝子欠損マウスの繁殖に失敗し、思うように実験が行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
再度、遺伝子欠損マウスのブリーディングペア‐を購入し、繁殖して、実験に臨みたいと考えている。
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