2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of the functions of Bordetella BopC that induce actin-dependent necrotic cell death.
Project/Area Number |
26460535
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
桑江 朝臣 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (60337996)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 百日咳菌 / ボルデテラ属細菌 / III型分泌装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは百日咳菌を含むボルデテラ属細菌がIII型分泌装置を介して分泌するBteAと呼ばれるタンパク質の機能解析を継続して行った。平成27年度までにBteAがアクチン重合依存的に哺乳類細胞に対して細胞膜破壊を伴う,いわゆるネクローシス様の細胞死を誘導することと,樹状細胞などの貪食細胞の有する貪食運動を阻害する作用を有していることを見出した。平成28年度は,BteAと相同性が30%程度認められるエロモナス属細菌のタンパク質について解析を行った。このエロモナス属細菌のタンパク質は700アミノ酸前後のタンパク質であり,いくつかのエロモナス属細菌に保存されている。またこれらのエロモナス属細菌はボルデテラ属細菌と同様にIII型分泌装置を有していることから,BteAと相同性を有するタンパク質もエロモナス属細菌のIII型分泌装置から分泌されることが予想された。エロモナス属細菌由来のBteAと相同性を有するタンパク質をボルデテラ属細菌のひとつである気管支敗血症菌に産生させ,気管支敗血症菌のIII型分泌装置から分泌されるかどうか,解析を試みたが,気管支敗血症菌内における産生量が少量であったため,III型分泌装置から分泌されるタンパク質であるかどうかは現在,解析中である。またこのエロモナス属細菌由来のBteAと相同性を有するタンパク質を哺乳類細胞用の発現ベクターを用いてCOS-7などの哺乳類細胞内で産生させたところ,BteAを産生させた場合と同様にネクローシス様の細胞死が認められた。以上の結果から,エロモナス属細菌においてもBteAと同様の機能を有するタンパク質が病原因子として役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)