2014 Fiscal Year Research-status Report
患者視点に基づく治療効果指標の開発:混合研究法による関節リウマチへのアプローチ
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26460608
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小嶋 雅代 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30326136)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / アウトカム / 患者の視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、関節リウマチ(RA)患者の視点に立ちながら、医療者も理解可能な治療効果指標の開発をめざし、特に早期RA患者の身体的・心理的な変化の把握を目的として行うものである。 初年度はまずRAの治療効果指標に関する既存の研究成果のレヴューを行った。RAの治療効果指標の評価に関するコンセンサスを構築することを目的に設立された国際学術団体、OMERACTが2012年に開催した会議の成果が発表されており(Boers, et al., j Clin Epidemiol. 2013)、今後、新たな評価方法を開発する計画を報告した。また「長期RA患者における手術治療に対する満足度の決定要因は何か」を臨床疑問として文献レビューを行ったところ、該当した3編(Sharrock C, et al., Musculoskeletal Care. 2013 doi: 10.1002/msc.1061. Bogoch ER, et al., J Hand Surg Am. 2011 Jun;36(6):1007-1014.e1-4. Bourne RB, Clin Orthop Relat Res. 2010. doi: 10.1007/s11999-009-1119-9)の論文の結論が共通することが分かった。RA患者が関節手術に求めるものは多様であるが、患者自身が術前の目標・期待をどれほど達成できたと感じるかが満足度に関与しており、術前の包括的な患者教育が不可欠である。本研究では今後、これらの結果を参考にしながら、日本人が求める治療効果について追求する予定である。 初年度はまた、名古屋RAネットワークメンバーとミーティングを行い調査項目について討議し、RA患者へのヒアリング調査も行った。さらに、平成19年国民生活基礎調査の匿名データを用い、RA患者の生活背景についての分析も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では初年度にコホート調査の調査項目を確定し、調査用紙を印刷する予定にしていたが、限られた時間内で連携研究者と十分な準備・検討ができず、平成27年度に持ち越すこととなった。しかしながら、平成19年国民生活基礎調査の匿名データの利用は、当初予定になく、連携研究者、患者代表との話し合いの中で、新たに必要性が生まれ、行ったものであり、有意義であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、連携研究者、RAネットワークメンバー、患者代表と十分な話し合いを進め、今年度中に第一期コホート調査の準備を完成し、リクルートを開始させる。特に調査項目の設定については、後から変更ができないため、入念な討議が必要である。
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Causes of Carryover |
初年後に予定していた調査用紙の印刷が翌年に持ち越されたため、印刷費用が繰り越しとなった。調査の実施のために雇用を予定していた研究補助員の人件費も不要となったため繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に計画していたコホート研究のベースライン調査を行うため、調査用紙の印刷代、研究補助員の人件費共に使用される予定である。
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Research Products
(5 results)