2014 Fiscal Year Research-status Report
「ともに考えるインフォームド・コンセント」実践モデルの提示と有効性の検証
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26460623
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
尾藤 誠司 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 臨床疫学研究室, 室長 (60373437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 篤 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80283612)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフォームド・コンセント / 臨床倫理 / 意思決定支援 / 患者‐医療者関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度のゴールは、“関係性に基づく医療”の実践における具体的な合意形成方法として「ともに考えるインフォームド・コンセント」の手順を提示する。具体的には、合意形成を導くうえでのテンプレートを作成することであった。 平成26年度においては、まず近年で発表されているShared Decision Makingに関する国内外の文献のレビューを行い、最新の知見についてまとめた。その上で、妥当な意思決定を支援するうえでどのような介入が適切なのかということについて、文献的考察を行った。文献上は、双方向の情報共有を行う上で、患者の持つ価値を医療者が知ることが適切な意思決定の要件としては重要であるが、現時点ではその有効な手段があまりないことが解った。さらに、実証研究のデザインを設定するうえで、適切と考えられるアウトカムを設定する上での文献的考察を行った。現時点で適切なアウトカムとして設定しているのは、「(過去の意思決定に対する)後悔」「患者側の医療に対する理解」「医療者に自分のことを理解してもらえたかということに関する患者の認識」「医療者に対する信頼」などである。 その後、介入としての情報共有テンプレートのひな形の作成に取り掛かった。同時に、テンプレートの内容を評価吟味するワーキングチームを組織した。現時点ではテンプレートの試作品が完成し、今後この試作品を改変したうえ確定する。また、平成27年度後半には実証研究をデザインし開始に向けていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の目標は、<1> Shared Decision Makingに関する文献的なレビュー、<2> 実証研究を行う上でのアウトカムの設定、<3> 介入ツールであるテンプレートの完成、であった。そのうち、<1><2>については達成しているが、<3>については途上であり、完成までにもうしばらく期間を必要とする。やや進捗が遅れている原因としては、アウトカム設定の困難さと、テンプレートの現実運用性を考えた場合、当初の計画よりも介入内容を変更する必要が出てきたところが主である。 また、平成27年度前半計画していた予定として、前後研究デザインの介入前観察を開始することが想定されていたが、介入内容の設定に時間がかかったためにまだ開始には至っていない。 一方、テンプレートについてはより充実した、現実性の高いものが立案されており、患者の立場や他職種を含めた介入ツールワーキングチームが組織された。スケジュールの進捗にやや遅延があるが、成果物としては当初期待してたものよりもさらに良質なものが完成する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
介入ツールの作成と非介入による観察研究時期については時期をかぶせることが可能なので、介入ツールの完成に時間をかけながらも観察研究を開始することは可能である。早急にワーキングでアウトカムを決定するとともに、実証研究に参加していただける施設のリクルートを行う。 実証研究を行う上では、各研究実施施設での倫理委員会の承認が必要となる。倫理委員会申請に関する書類の提出については、東京医療センター内に事務局を立ち上げ、事務局が支援を行うようにする。
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Causes of Carryover |
当初計画においては、病院リクルートやワーキングメンバーの直接会議にかかる費用が発生する予定であったが、研究計画の若干の遅れに伴い旅費の支出がなかった。そのために次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には、ワーキングメンバーの直接会議、実証研究実施施設のリクルートに伴う説明などにかかる旅費が、平成26年度の計上分追加して発生することが見込まれる。
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Research Products
(2 results)