2016 Fiscal Year Research-status Report
「ともに考えるインフォームド・コンセント」実践モデルの提示と有効性の検証
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26460623
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
尾藤 誠司 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 室長 (60373437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 篤 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80283612)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インフォームドコンセント / 医療コミュニケーション / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は医療に関する意思決定を行う上で、患者と医療者が相互の意見や価値を交配させるプロセスを推進することを目的とした開発型、および効果検証型の研究である。初年度の調査から「ともに考える臨床意思決定のためのテンプレート」を開発した。その上で、最終年度に入り、検証型の実証研究実施のフェーズに突入した。具体的には当該テンプレートを患者にわたし、そのテンプレートの内容を患者が記載したうえで電子カルテに挿入し、担当医が文書化された患者側の選好や価値観を知ることで、その後のコミュニケーションや、患者の意思決定に関するコンフリクト、意思決定後の後悔の度合いに変化が訪れるかどうかを検証するための介入研究を実施中である。 当初の研究計画をもとに他施設で参加施設を募り、現在8医療施設で実証研究を展開中である。すべての分担施設で倫理委員会への申請を行い、施設長の研究実施許可を得たうえで研究が開始されている。研究計画では140例の登録を目標としているが現時点では合計88例の登録が行われた。 東京医療センターでは研究事務局およびデータマネジメントセンター機能を行っており、患者データの連結匿名化や、各施設における研究進捗推進支援などについても順調に進行している。2017年9月をめどに患者登録を終え、2018年1月をめどにデータ収集を完了し、2018年3月までに解析を終了する予定である。その後、成果について論文発表、学会での口頭発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は2017年度中に実証研究事業を終了する予定であったが、研究に参加を表明した多施設で最終的に研究デザイン等を吟味した結果、科学性および研究実施可能性の面から変更を行う部分が見つかった。そのため、一時倫理委員会で承認された研究計画をいったん変更したうえで再度倫理委員会の申請を行い、承認を得るに至るまでに経過時間を必要とした。また、各施設で倫理委員会の申請から承認までにずれがあるため、その分当初見積もっていた研究計画に対し時期の変更を行う必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
介入研究の開始が遅延した分、その後の研究機関に遅延を発生させず、さらに登録症例数を確保する上で、以下について対処している。
<A>研究責任者より各施設の分担研究担当者に対して、2週間に一度研究の進捗状況について電子メールで知らせるようにした。 <B>各施設で研究者が順調に研究を進捗させることができるように、研究実施説明ビデオを作成し、各研究者に閲覧していただいた。<C>症例登録を推進するための支援連絡機能を事務局に持たせた。 <D>連結匿名化を簡便に行う仕組みを作った。 <E>登録2か月後調査、3か月後調査が確実に行われるためのリマインダ機能を作り運用した。
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Causes of Carryover |
介入型の実証研究の開始遅延に伴い、その分ランニングコストとして積算していた費用を平成29年度に繰り越す形となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用は主に研究実施に伴う質問指標の印刷代、郵送代、事務局機能を保持する上での謝金、研究者会議を行う上での旅費及び会議費等に充てられる。
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