2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and estimation of the effectiveness of the behavior models for mutual informed consent
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26460623
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
尾藤 誠司 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 室長 (60373437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 篤 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80283612)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インフォームド・コンセント / シェアード・ディシジョン・メイキング / 後悔 / 意思決定支援ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療に関する意思決定を行う上で、患者と医療者が相互の意見や価値を交配させるプロセスを推進することを目的とした開発型、および効果検証型の研究である。初年度の調査から「ともに考える臨床意思決定のためのテンプレート」を開発した。その上で、最終年度に入り、検証型の実証研究実施のフェーズに突入した。具体的には当該テンプレートを患者にわたし、そのテンプレートの内容を患者が記載したうえで電子カルテに挿入し、担当医が文書化された患者側の選好や価値観を知ることで、その後のコミュニケーションや、患者の意思決定に関するコンフリクト、意思決定後の後悔の度合いに変化が訪れるかどうかを検証するための介入研究を実施した。
研究計画の一年間の延長を行ったことで、当初の研究計画どおり、全8施設の共同研究施設において合計コントロール軍87名、介入群88名の登録を完了した。コントロール群において、登録時のDecision Conflict Scale(以後、DCSとする)平均値に比較し、登録二か月後のDCSの平均値は有意に低下していた。これは、選択肢が提案された時点に比較し、その後の時間経過の中で患者の意思決定コンフリクト感情が軽減されたことを意味する。登録2か月後のDCSおよびDecision Regret Scale (以後DRSとする)の平均値は、患者特性、疾患特性その他初期患者特性別で有意な差を認めなかった。一方、DCSが計時的に20点以上低下している群は、より意思決定に関するその後の医師とのコミュニケーションがスムーズであったと感じていた。
介入群とコントロール軍における登録二か月後のDCSおよびDRSの平均値には有意さを認めなかった。一方、登録時に医師側から推奨された治療の選択と最終的な選択の一致割合は介入群で有意に高かった。今後、本研究成果について論文発表、学会での口頭発表を予定している。
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Research Products
(5 results)