2014 Fiscal Year Research-status Report
腎尿細管のメガリンを誘導する薬物の安全性に関する研究-カドミウムを用いた検討-
Project/Area Number |
26460631
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
細畑 圭子 自治医科大学, 医学部, 助教 (10547962)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎尿細管 / エンドサイト―シス / カドミウム / 創薬スクリーニング / 蓄積性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腎尿細管におけるエンドサイトーシス受容体を介したカドミウム蓄積に焦点をあてた薬物スクリーニング評価系を構築することである。そのために、初年度は培養細胞を中心に以下の検討を行った。1)カドミウム定量法の確立:研究期間全体を通して必要となるカドミウム定量法の確立を目指し、偏光ゼーマン原子吸光光度計を用いて種々の測定条件にて検討を行い、至適条件を確立した。2)エンドサイトーシス受容体発現細胞を用いたカドミウム蓄積・毒性の検証:内因性メガリンを保持している培養細胞を用いて、各種薬物曝露によりエンドサイトーシス受容体が濃度依存的にmRNA発現レベルで上昇することを確認した。また、培養細胞内に取り込まれたカドミウムを原子吸光光度法により定量し、カドミウムが蓄積することを明らかにした。さらに、エンドサイトーシス受容体のmRNA発現量上昇およびカドミウム蓄積が認められた薬物濃度において、有意な細胞障害が認められたことをLDH assayにより明らかにした。以上の結果は、カドミウム輸送体の発現を調節する薬物がカドミウムの蓄積及び細胞毒性に関与することを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、研究期間を通して必要となるカドミウム測定系の確立を中心に進めたため、平成27年度以降はin vitro、in vivoともに集中的に行うことが可能となり、予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に引き続き、候補薬物数種について培養細胞実験を行う。さらに、低濃度カドミウム摂取下において候補薬物によるカドミウム蓄積および腎障害惹起についてin vivoにて検討する。
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Causes of Carryover |
カドミウム測定系が当初より早く確立したため、平成26年度研究費に未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度では、引き続き残りの候補薬物についてin vitro実験を行う。さらに動物実験を開始するため、試薬類および飼料購入に繰り越し経費を充てる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Association of decreased mRNA expression of multidrug and toxin extrusion protein 1 in peripheral blood cells with the development of flutamide-induced liver injury.2015
Author(s)
Nakano K, Ando H, Kurokawa S, Hosohata K, Ushijima K, Takada M, Tateishi M, Yonezawa A, Masuda S, Matsubara K, Inui KI, Morita T, Fujimura A.
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Journal Title
Cancer Chemother Pharmacol.
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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