2014 Fiscal Year Annual Research Report
Neurovascular Unit形成による脳組織再生法の開発
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26460638
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
渡辺 康裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (90127324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 俊晶 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (30399117)
鈴木 豪 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 講師 (50649035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Neurovascular Unit / 神経前駆細胞 / 血管前駆細胞 / Gs共役型受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
Neurovascular Unitは、神経細胞、脳血管内皮細胞、グリア細胞、細胞外マトリックス等からなる脳の構成単位であり、その保護・再生が脳における新たな再生治療の戦略として期待されている。特に、神経前駆細胞と血管前駆細胞を細胞外マトリックスの豊富な3次元ゲル上で共培養することで、Neurovascular Unitを再構成できる可能性が考えられている。今回、我々は、マウス人工多能性幹細胞(iPS細胞)から血管前駆細胞あるいは神経前駆細胞への分化、さらに血管内皮細胞あるいは神経細胞への分化に関わるG蛋白質共役型受容体の関与を検討した。その結果、マウスiPS細胞由来胚葉体をレチノイン酸とともにbeta-アドレナリン受容体アゴニストであるイソプロテレノールで刺激すると、神経前駆細胞および神経細胞への分化が促進された。また、beta-アドレナリン受容体と同じくGs蛋白質に共役する受容体である5-HT4受容体の刺激も、レチノイン酸による神経前駆細胞および神経細胞への分化を促進した。一方、マウスiPS細胞をBMP-4およびアクチビンとともにイソプロテレノールで刺激すると、血管前駆細胞および血管内皮細胞への分化が促進され、この作用にはGs蛋白質依存的なcAMP/PKAシグナル系の活性化の関与が示された。次に、マウスiPS細胞由来の神経前駆細胞および血管前駆細胞を、3次元マトリゲル上で共培養してさらなる分化を誘導し、蛍光抗体染色にてNeuNおよびCD31の発現を確認し神経細胞および血管内皮細胞に分化していることを確認した。また、イソプロテレノールの刺激がそれぞれの分化効率を高めていることを明らかにした。今回の結果より、マウスiPS細胞からのNeurovascular Unit形成がGs蛋白質共役型受容体刺激により効率的に行えることが示唆された。
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Research Products
(11 results)