2014 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈疾患リスク因子レムナントリポ蛋白の代謝酵素を標的とした臨床検査法の確立
Project/Area Number |
26460640
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中嶋 克行 群馬大学, 保健学系研究科, その他 (10444051)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | レムナント / LPL |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は1993年にレムナント研究のブレークスルーとなったレムナント単離精製法並びに血中濃度測定法を確立した。また我々は過去3年間に、リポ蛋白リパーゼ(LPL)ならびに肝性TGリパーゼ(HTGL)の新規活性測定(基質分解活性)法と、新たに独自の高感度LPL, HTLG濃度測定法(ELISA)を開発してきた。本研究ではヘパリン有無の血漿を用いてリポ蛋白リパーゼ(LPL)や肝性TGリパーゼ(HTGL)の血清検体測定の臨床的有用性について検討した。具体的には(1)ヘパリン投与前後(有無)の症例における糖負荷や脂肪負荷試験(OFTT)後の検体を、我々が最近開発した高感度の脂質代謝酵素(LPLならびにHTGL)の濃度測定(ELISA)と活性測定(基質分解活性)法で測定し、血中レムナント(RLP)関連検査項目との関係を解析し、これらの酵素活性の評価に実際、ヘパリン投与が必要かどうかを調べた。(2)特にプレヘパリンLPL測定を行い、血清RLP値の増加が観察されている糖尿病、冠動脈疾患、メタボリック症候群患者におけるLPL濃度とRLP値との関係を検討した。その結果、糖尿病、冠動脈疾患、メタボリック症候群患者の血清LPLは、健常群よリも有意に低値をしめし、LPLはレムナントの粒子サイズと負の相関を示し、粒子イサイズの大きなレムナントは少数のLPLと結合し小さいレムナントは多数のLPLと結合している可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPL活性のインヒビターTetrahydrolipstatinを添加したポストヘパリン血漿から安定したLPL-レムナント(酵素―基質複合体)の単離が可能となり、研究が大幅に進んだ。、
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度我々は、プレヘパリン血漿中のLPL濃度の測定が、ポストヘパリン血漿のLPL活性に代わりうることを証明するため、高感度LPL-ELISAを用いてRLP分画中のLPLの測定をこない、循環血中に存在するLPLがRLPとどのような関係にあるのかを検討する。つまりヘパリン投与によって血管内皮表面から放出されたLPLがRLPとどのように結合しているのか、ヘパリン採血後の経時的変化「0、15、30、60分後」を観察し、LPL活性とLPL濃度とRLPの関係を検討する。特にRLPと結合していることが知られているアポC1とアポC3(LPLインヒビター)により、LPLが不活性化になるのかどうか検討する。なおヘパリン投与後、活性を持つLPLが血管内皮から循環血中に大量に遊離されるが、活性を持つLPLは大半がどこに移動し、不活性型のLPLはどのような存在形態なのかスーパーローズ6Bを用いたゲル濾過と高感度LPL-ELISAを用いて検討する。さらにLPLなら便HTGL活性のインヒビターであるtetrahydrolipstatinを用いて採血後のLPLがどのように移動するかを検討する。本年度は、LPLとRLPの結合状態を検討することにより、ヘパリン投与なしの循環血中LPL濃度の測定の臨床的意義を見出す予定である。なおHTGLに関しては、プレヘパリン血漿中HTGL濃度が検出限界以下なので、現在新たな高感度HTGL-ELISAの測定系の開発を進めている
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] More than 80% of circulating lipoprotein lipase in serum (pre-heparin) is bound to remnant lipoproteins.2014
Author(s)
Katsuyuki Nakajima, Kazuya Miyashita , Shigeyuki Imamura Junji Kobayashi , Takashi Shirakawa, Shinichi Yatsuzuka, Younosuke Shimomura, Tetsuo Machida , Hiroyuki Sumino , Masami Murakami.
Organizer
82 th European Atherosclerosis Society Congress at Madrid, Spain on June 1-3, 2014
Place of Presentation
Madrid, Spain
Year and Date
2014-06-01 – 2014-06-03