2015 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈疾患リスク因子レムナントリポ蛋白の代謝酵素を標的とした臨床検査法の確立
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26460640
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中嶋 克行 群馬大学, 保健学研究科, 客員教授 (10444051)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レムナント / リポプロテインリパーゼ(LPL) / アポC3 / tetrahydrolipstatin |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度我々は、プレヘパリン血漿中のLPL濃度の測定が、ポストヘパリン血漿のLPL活性に代わりうることを証明するため、高感度LPL-ELISAを用いてRLP分画中のLPLの測定をこない、循環血中に存在するLPLがRLPとどのような関係にあるのかを検討した。つまり、ヘパリン投与によって血管内皮表面から放出されたLPLがRLPとどのように結合しているのか、ヘパリン採血後の経時的変化「0、15、30、60分後」に伴う血中LPL活性とLPL濃度とRLP中のそれらの関係を検討した。特に、ヘパリン非投与血清中のLPL濃度の80%以上がRLP分画にあることが明らかとなった。ヘパリン非投与血清中のLPLは活性がないことが知られているが、その理由としてRLPと結合していることが知られているアポC1とアポC3(LPLインヒビター)がLPLを不活性化している可能性が示唆された。またヘパリン投与後、活性を持つLPLが血管内皮から循環血中に大量に遊離されるが、活性を持つLPLと不活性型のLPLは血中でどのような存在形態であるのか、その結合しているリポ蛋白分画を確認するため、スーパーローズ6Bを用いたゲル濾過と高感度LPL-ELISAを用いて検討した。その結果、活性型LPLの大半 HDL分画位に結合していることが明らかとなり、LPLならびHTGL活性のインヒビターであるtetrahydrolipstatinを用いた場合、ヘパリン採血後のLPLはRLPと結合していることが明らかとなった。それらの結果を現在英論文に纏めて、 Clinica Chemica Actaに投稿中である(タイトル:Most lipoprotein lipase in plasma is bound to remnant lipoproteins: A new definition for remnant lipoproteins)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに実験が進んだため
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、LPLとRLPの結合状態を検討することにより、ヘパリン投与なしの循環血中LPL濃度の測定の臨床的意義を見出す予定である。なおHTGLに関しては、プレヘパリン血漿中HTGL濃度が検出限界以下なので、現在新たな高感度HTGL-ELISAの測定系の開発を進めている。
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Research Products
(1 results)