2015 Fiscal Year Research-status Report
糖代謝マーカーとしての高密度リポ蛋白質HDLとアポリポ蛋白M
Project/Area Number |
26460641
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
木村 孝穂 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90396656)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 糖代謝 / アポリポ蛋白 / 高密度リポ蛋白 / 経口ブドウ糖負荷試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
20代の男女を対象に503人に対し75gOGTTを実施した。検査値の欠損が認められた例を除き487人の75gOGTTのデータの解析を進めている。年齢、身長、体重、HbA1c、グリコアルブミン(GA)、75gOGTT施行時の血糖値とインスリン値を測定し解析中。487例中、正常であった470人を75gOGTTにおける血糖値の変動パターンからブドウ糖負荷後の血糖値が負荷前の血糖値より低下するまでの時間でI~IVの4群に分類した。I群:負荷後30分で負荷前以下、II群:負荷後60分で負荷前以下、III群:負荷後120分で負荷前以下、IV群:一度も負荷前血糖値以下に低下なし。470人の内訳はI群:20例 (4.4%)、II群: 84例 (18.5%)、III群 124例 (27.3%)、IV群 226 例(49.8%)であった。I~IVの4群間で負荷前の血糖値、インスリン値、HbA1c、HOMA-Rに有意差を認めなかった。米国の40~50歳代を中心とした追跡研究ではIおよびIIのパターンに分類されるものに対してIII、IV群に分類されるものの糖尿病発症リスクは3倍以上であると報告されている。本研究の対象者は20歳代の日本人であるがI~IV群の割合は米国の40~50歳代を対象とした報告とほぼ同じであった。20歳代の日本人の3/4以上が糖尿病発症リスクが高いIIIおあるいはIV群に分類される結果となった。この結果は日本人は欧米人に比べ糖尿病発症リスクが高いとされるこれまでの報告を裏付ける結果と考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
20歳代の日本人を対象に500人以上の75gOGTTを施行できた。検査値の欠損があり解析対象者487人となったが、75gOGTTの結果の解析から日本人ではすでに20歳代で3/4以上が糖尿病発症の高いリスク群に分類されるという驚くべき結果が得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
20歳代を対象とした75gOGTTのデータの解析をを更に進める。血中アポリポ蛋白M(アポM)濃度を測定し、75gOGTTの結果との関連の解析を進める。 インスリン分泌細胞を用いた実験系の確立を行う。当初、MIN6という細胞系を想定して研究計画を立案し、MIN6で検討を進めたが安定した結果が得られなかったため、別の細胞系を用いて検討を進めている。
|