2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26460646
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中村 和人 山梨大学, 総合研究部, 助教 (30456488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 健一 山梨大学, 総合研究部, 講師 (30345706)
渡辺 一広 公益法人東京都医学総合研究所, その他、部局等, 研究員 (50535549)
中村 貴光 山梨大学, 総合研究部, 助教 (60377512)
藤岡 大佑 山梨大学, 総合研究部, 助教 (70377513)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 循環器病学 / 不安定プラーク / バイオマーカー / RNA診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血液サンプルから抽出されたRNAから、循環器病のうち、特に虚血性心疾患における不安定プラークの存在を検出をすることで、急性心筋梗塞を発症する前に、虚血性心疾患(動脈硬化)を診断することである。研究計画にあるとおり、胸痛を主訴として、冠動脈造影を施行した症例のうち、冠動脈狭窄がなかった症例(健常者群)と冠動脈狭窄を有し、経皮的冠動脈インターベンションが行われた症例のうち、特に血管内超音波検査で、不安定プラークあるいはプラーク破綻の所見を有する症例(疾患群)の2群より、血液を採取して、RNAバイオマーカーを分子生物学的手法を用いて、探索を進める。不安定プラークの血液バイオマーカーは、まだ十分にそのスクリーニングとしての役割を果たしているようなバイオマーカーは臨床応用されていない。またRNAバイオマーカーは他の疾患においても、一部の血液疾患や感染症を除いて、臨床応用されておらず、非常に意義の高いものである。上記に該当するサンプルはすでに概ね回収しており、一部はRNA抽出も終了している。これらのサンプル群からRNAを抽出してみると、全般的に量は多くなく、質的には一部分解が進んでいるものがあることが判明した。量に関しては、PCRで増幅し、定量評価は可能であるが、複数回の解析は困難である。またRNA分解が進んでいるものに関しては、その定量性が疑問視されている。これらに関するトラブルシューティングが完全には解決しておらず、到達目標である不安定プラークのRNAバイオマーカーの有力候補の選定には至っていない。このトラブルシューティングが解決し、サンプルの解析によりバイオマーカーの候補が選定されれば、そのRNAバイオマーカーとしての評価が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
サンプルの回収はほぼ終了しているが、サンプルの解析が大きく、遅れており、1年目の到達目標であるRNAバイオマーカーの候補の絞り込みが終了していない。その結果、2年目の到達目標のバイオマーカーとしての評価が開始となっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
回収したサンプルの解析を進め、RNAバイオマーカーとしての候補を絞り込む。候補バイオマーカーが選別できれば、その評価は最終年度も行うことになっているので、遅れを回復することは可能である。絞り込みが遅れている一つの原因は、典型例が少ないこと、合併症を有する症例が多いこと等の理由で、バイオマーカーの候補を絞り込むという意味での解析に適切なサンプル数が必ずしも多くないことがある。サンプルの解析方法に関しては、マイクロアレイからRNA sequenceに変更も検討している。
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