2016 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical application of p62/SQSTM1 in cancers
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26460648
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡部 英俊 滋賀医科大学, 医学部, 名誉教授 (70079713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茶野 徳宏 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40346028)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | p62/SQSTM1 / RB1CC1 / 放射線治療 / 代謝 / epigenome / mitochondria |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌、頭頸部癌(特に口腔内癌)に於いて、p62/SQSTM1の発現レベルのスコアリングを行ったところ、p62が共発現している症例は他に比べて特に治療成績不良で、p62は肺癌予後不良のバイオマーカーになり得ると考えられた。 頭頸部癌、口腔扁平上皮癌では、p62は癌細胞のグルタチオン誘導に寄与し、放射線治療抵抗性を惹起した。臨床病理評価に於いてもp62蓄積を認める症例は予後不良であり、p62は新規の臨床病理的バイオマーカーになると示唆された。 また、下咽頭癌における解析では、p62/SQSTM1の過剰が放射線治療抵抗性のマーカーになり、治療選択の良い指標となることを実証できた。放射線治療下の下咽頭癌ではp62の過剰はNrf2-Keap1経路を介してROS抵抗性を惹起しており、放射線癌細胞死抵抗性となっていることが示唆された。一方で、CDDP化学療法下では治療抵抗性はp62の過剰に左右されず、p62過剰の見られる症例では放射線治療よりも化学療法、外科治療を優先すべきことが明らかとなった。 p62/SQSTM1の蓄積から、がんの代謝環境が大きく変わることが示唆されたので、腎癌、骨肉腫において代謝変化の解析を行った。腎癌ではglucose飢餓時、骨肉腫では酸性環境下、どちらもがん細胞生存には危急な状態で、治療実施時に起こる変化であるが、このような環境下でも、がん細胞は自身のmitochondria機能やepigenome状態を最大限利用して生き延びることがわかった。このような危急状況でも生存するがん細胞を根絶するには、mitochondriaやepigenomeをターゲットとしたmutli-modal treatmentsが必要で、これを 実施することで、がん細胞を根絶できることを実証できた。
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